テクモ、昨今の報道・提訴に見解を発表
2008年06月19日 08:00
【テクモ(9650)】は6月18日、昨今の「社員が数十人退社した」「訴訟事案を公表しなかった」という報道に対して、指摘された事実・問題はないとの見解を発表した(【発表リリース、PDF】)。また、6月17日に一部報道で伝えられた、同社社員2名による訴訟についての見解を発表し、その中で4月1日の時点で指摘案件についてはすでに対応済みであることや、提訴そのものは内容を確認の上対応することを発表した(【発表リリース、PDF】)。
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今件は一部を【テクモがものすごい勢いで自社株買いをしている件について】でお伝えしたが、テクモの有力タイトル製作の中心人物だった板垣伴信氏とテクモとの間の「つばぜり合い」がきっかけで、同社から板垣氏が離れることになり(双方で見解が異なるのでここではこの表現とする)、それに絡んでさまざまな問題が双方、とりわけ板垣氏サイドから提示されているもの。昨今の報道内容を見ると、板垣氏及びその周辺グループが積極的にマスコミ側(特にIT系・ゲーム系)に資料を提供しており、その系統のインターネットメディアには次々と続報が掲載されている。
例えば【労働組合執行役員が未払賃金を求めてテクモを提訴(IT media)】や【テクモ労働組合の2名が残業代の支払いを求めて提訴(iNSIDE)】にもあるように、テクモの労組による訴えの報道では各種資料が提供されているようすがうかがえる。
それらの内容についてはそれぞれの報道内容を参照していただくとして、今回テクモ側では
・6月16日に労組から提訴のあった時間、健康管理に伴う代表者選出などの問題については未払い賃金の調査と支払いを行うことを4月1日付けで通知している。
・海外メディアで6月15日、「数十人の社員が退社する」という報道があったが、そのような事実は無い。また、訴訟事実公表のタイミングが問題視されているが、有価証券上場規程に基づく適時開示義務を厳守している。
とそれぞれ反論、説明している。さらに本日19日早朝(確認の限りでは朝5時より前)において、【報道関係者の皆様へ(PDF)】というタイトルで
テクモ株式会社のゲーム開発者を代表して報道関係者の皆様にお願いを申し上げます。
一部の海外ゲームメディアで弊社の開発者が大量に退職する予定であるとの噂や、経営陣が全社員に対し解決策を提示した賃金未払いの件について、内容が不正確に伝えられるなどの報道が相次ぎ、開発社員の不安が煽られ、とても残念です。
私たちテクモの開発陣は、質の高い商品をお客様にお届けするべく、現在、開発に全力を注いでおります。開発業務に集中できる環境で、世界の市場に受け入れられる楽しい商品をつくりあげることこそが私たちの望みです。
今後、発売や発表をさせていただくタイトルの開発も佳境に入ってきております。私たちがやり遂げるべき仕事にご理解を賜り、裏付けが未確認である情報の取り扱いについては公正な報道を心がけていただくよう、現場スタッフを代表し、皆様のご配慮を重ねてお願い申し上げます。
以 上
という内容のリリースを発し、昨今の報道姿勢について苦言を呈している。
昨今のテクモ株式の動向
今件では上記に説明したように、ゲーム系・IT系へのメディアに対して他より先行する形でリリース・資料が配され、それが一般・金融系メディアに伝わる状態となっているため、情報の伝達が通常の情報やニュースとは異なる状況で進展する雰囲気が見られる。また、元々ゲーム業界は他業界と比べて歴史が浅いこともあり、一般に金融系メディア及び関係者はゲーム業界に関する分析では「どうかな?」と首を傾げざるを得ないものになる場合も少なくない。
直接関係する人たちはもちろん、ゲーム業界界隈の人々、そしてゲームファンや関連銘柄の投資家たちは、適切な情報の収集と冷静な分析の上、自らのメディアリテラシーをフルに活用し、耳を傾けて判断するべきだろう。例えば昨今報じられた内容を事細かに抽出した上ですべてタイムスケジュール化して、カレンダー上に表記すると、新たな事実や疑問が浮かんでくるかもしれない。
(最終更新:2013/08/05)
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