「協定販売促進費」と称してニトリが下請けに支払い減額・公取が注意勧告

2008年06月18日 08:00

時節イメージ公正取引委員会は6月17日、【ニトリ(9843)】が下請代金遅延等防止法(下請法)の第4条第1項第3号(下請代金の減額の禁止)の規定に違反しているとして、再発防止を求める是正勧告を行ったと発表した。具体的には下請け業者71名に対し、総額3億2945万6054円を減額したとのこと。ニトリは公正取引委員会の調査を受けて、6月9日に業者に対し減額分を返還している。この減額認定額は2004年に同法が改正された後において二番目の高額となる(最大額は【井関農機(6310)】の子会社が本社指示で行った約10億9200万円)(発表リリース、PDF)。

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公正取引委員会や一部報道によると、ニトリは自社が販売する家具やインテリアの用品製造を下請け事業者に委託しているが、コストダウンをはかるために「協定販売促進費」と称し、2006年2月から2007年2月までの間、この期間中の「下請け代金額が一定額を超えた場合」「その一年前の同期間の下請け代金と比べて所定率を超えて増加した(要は去年と比べて受注額が増えた)」場合には、下請け代金の額に0.3%~2.6%の支払いをニトリに対して行うように要求。差し引きとして下請け支払い代金を減じていた。

ニトリといえば先に【平均19.6%値下げ! 家具43品目など計268品目をニトリが値下げ宣言】で報じたように、「6月5日に」自社商品の一部において販売促進の目的で2割近い値下げを発表している。ニトリが調査を受けて全額を返還したのは「6月9日」とのこと。ニトリ側から一切公式なリリースが出ていないので確認はとれないが、これでは第三者の目から見れば「下請け業者に値引きさせた分を使って消費者への値下げを行ったのか」と思われても仕方のない話。

物価高が続く昨今において6月5日の値下げ宣言は非常に珍しく、その気概に感心していただけに、非常に残念でならない。

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