ダスキンとモスフード、株主優待券の共有化や同一物件への共同出店を実施へ

2008年06月17日 06:30

モスとミスドの提携イメージドーナツチェーン店「ミスタードーナツ」を展開する[ダスキン(4665)]と【モスフードサービス(8153)】は6月16日、先に【「モスドーナツ」の誕生も!? ダスキンとモスフードが資本・業務提携】で報じた両社の資本・業務提携に関する具体的内容について、現在までに合意した内容などを明らかにした。物流部門・物品購入部門の共有化や同一物件への共同出店、株主優待券の共有化などが行われることになる(【発表リリース、PDF】)。

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ダスキンとモスフードは2月20日に資本・業務提携契約の締結を発表。現時点までにダスキンはモスフードの株式131万2600株(4.1%)、モスフードはダスキン株式105万1000株(1.5%)をすでに取得している。業務提携内容については分野別に8分科会を設けた上で、短期的・中長期的双方の期間で実現していく事項を検討していたが、今回はそれぞれの期間において決定・検討中の内容が発表されている。

具体的には次の通り(主なもの)。

短期的(来年3月末までに開始可能なもの)
・新規商品の共同開発と販促コラボレーション(第一弾は7月中旬予定)
・品質管理と衛生管理体制で両社の長所を融合させる試み
・店舗物流の共同配送(配送ルートおよび排出ガスの削減も見込む)
・同一物件への共同出店
・株主優待券の相互利用(2008年9月末権利確定分から)

中長期的
・新規商品の共同開発(ミスドのデザート系、モスの食事性など利点を活かしたもの。共通テーマで両社が独自にの場合と、両社共同の開発の2パターン)
・店舗物流の共同配送の地域拡大
・可能な物品、店舗備品における共同購入による仕入れコスト削減
・共同出店
・売り上げ予想システムの共同研究
・新業態の開発(食育をテーマにドーナツとハンバーガーの製造体験ができる店舗などを検討)


モスバーガーとミスタードーナツの提携イメージ先の記事で指摘したように、2007年3月時点でミスタードーナツでは国内1294店舗、モスバーガーでは2008年5月時点で1407店舗を展開している。2007年3月期における両社の売上高はダスキン(※ミスタードーナツのみにあらず)が1937億9000万円、モスフードが598億9000万円。営業利益は約10倍、経常利益は約7倍、純利益にいたっては約40倍がある。

また今回の具体的な提携内容も、それぞれ別個の企業であることの強みも多数見受けられるが、「ここまで共有化するのなら、いっそのこと吸収合併か、ホールディングス化した方が合理的なのでは」とも考えられなる。両社の財務・業務状態を見ても、ミスタードーナツ(ダスキン)はそこそこの流れだが、モスフード側は厳しい立場に追い込まれていることは否定できない。今回の資本・業務提携で流れを変えられるかで、両社間ではとりわけモスフード側の命運が左右されることになるだろう。


(最終更新:2013/08/05)

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