今調査は4月17日から18日、全国の18歳以上で運転免許証を持ち、さらに自動車を保有する男女1000人にインターネット経由で尋ねたもので、有効回答数は1000。年齢階層比、男女比などは非公開。また、問い合わせた時点ではガソリンの暫定税率が失効しており、価格が1リットルあたり130円ほどだったことを考慮する必要がある。

調査対象者に対し「次に」購入したい車として検討している車種・タイプについて尋ねたところ、「欲しい車の中で燃費の良い車」と答えた人がもっとも多く47.9％を占めた。

次の自動車購入時に検討するのは

デザインやブランド、用途における選択は行われるものの、その中で最終的な選別要素として「燃費」を挙げる人が半数近くを占めている。いかにランニングコストに気を配っているかが分かるが、同時に「燃費が重要なのは理解しているものの、欲しい(必要とする)車種そのものまでは変えられない」という悩みがあるのも見て取れる。

しかし「燃費」に並々ならぬ注力が置かれていることは、「ハイブリッドカー」や「軽乗用車」「コンパクトカー」など「燃費が良い」といわれている車種が、「燃費にはこだわらずに欲しい車」より上位に来ていることからも明らか。さらに今件は4月時点での回答であることにも注意しなければならない。ノーマルのガソリン価格が170円前後/リットルと回答時点から30円ほど値上がりしている現状では、さらに燃費へのこだわりが強くなっているものと思われる。

燃費への注目度の高さは、次の「現在所有している自動車と将来買いたい自動車で重視した・する点」の違いからもはっきりと分かる。

現在所有している自動車と将来買いたい自動車で重視した・する点

現在・将来両者とも「購入金額」がもっとも多いのは当然だが、その次に来るのが現行車両では「デザイン」「メーカー」だったのに対し、「将来」では「購入金額」に迫る勢いで「燃費」が多くの賛同を得ているのは一目瞭然。また、「将来」においては「デザイン」「メーカー」を抜き、「運転のしやすさ」が「燃費」の次につき、さらに「維持費」が続いていることも見て取れる。

これらのことから、ガソリン価格の高騰でランニングコスト(≒維持費)が非常に高騰した昨今において、自動車へのこだわりで重視されていた「見た目やブランド」などの趣味趣向や見得は脇に追いやられ、「燃費」「運転のしやすさ」「維持費」などの実用面・費用面が前面に押し出されているのが分かる。一言で表現すれば「なりふりかまっていられない」というところか。

4月発表にも関わらず今回の資料を取り上げたのは、本日放送されたNHKのニュースにおいて、ガリバー自動車への来客が増えているという話が取り上げられていたからに他ならない(その番組内で今資料の一部のデータが紹介されていた)。同社では最近特に保有している自動車を買い取ってほしいという問い合わせが多いのだという。

具体的な話を聞くと、ランニングコストがかかりすぎるので自動車所有をあきらめる人がいる一方、燃費の良い自動車への買い替えのため、今の自動車を売りにきたという人も少なくないとのこと。

今回のデータは4月時点での調査にもかかわらず、ガソリン価格の高騰と共に自動車離れを起こしつつあるマイカーユーザー、そして非常に強い燃費へのこだわり・要望が見られる。ましてや今ならその割合は、さらに増えていることだろう。

番組内でガリバーの社員の人が語っていたが、買取希望客が増えるということは、自動車そのものに対する人気の勢いが停滞していることでもある。中古車買取業者自身には商品のバラエティが増えるので嬉しい話ではあろうが、自動車業界そのものの停滞には複雑な心境を持っているに違いない。