「ガソリン価格は高止まり」「家計への影響大きい」の考えは日米変わらず
2008年06月09日 08:00
「ガソリン価格の高騰が家計に少なからぬ影響を与えている」と実感している人は多いだろう。また、このまま高止まりして値下がりすることはないのではないだろうか、走行距離を減らして節約しなければ……そう考える人も多いだろう。そのような思いを持つのは何も日本人だけではなく、アメリカ人もまた同じ考えのようだ。少々古くなるが昨月の【USA TODAY】ではそれを裏付けるいくつかのデータが記載されていた。
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1日あたりの平均走行距離(マイル)
これは過去2年間と今年(2月末まで)の、一日あたりの自動車の平均走行距離を示したものだが、今年去年・おととしと比べて明らかに減っていることが分かる。2月より3月以降の方がガソリン価格は上昇しているので、おそらく3月~5月はさらに前年比で下回る結果が出ていることだろう。
では「ガソリン価格の高騰は家計に大きな影響を与えている」と実感している人の割合はどれくらいだろうか。2004年3月の時点では47%だったのが、今年の5月では71%にまで上昇している。
「ガソリン価格の高騰が家計に大きな影響を与えている?」
現実問題としての家計の財務への影響はもちろん、心理的にも大きな影響を与えているのが分かる。
ではガソリン価格の高騰が行動パターンにどのような変化を与えうるのか。「ガソリン価格が上がったことで変化した行動様式」についての質問で、これだけの人が「変わった・変えた」と答えている。
ガソリン価格の高騰でするようになったこと
特に8割以上の人が自家用自動車の運転をひかえたり、公共交通機関への乗換えを行っている行動に移っていることが分かる。これは先の【「自家用車からバス、鉄道へ」ガソリン高で変わるアメリカの移動スタイル】を裏付けるデータともいえるだろう。また、日本同様に「もっとも安いガソリンスタンド探し」や「燃費の良い自動車」へのニーズが極めて高いことも見て取れる。
最後に提示するグラフは「昨今のガソリン価格高騰が一時的なものか、それともずっと続くものか、どちらだと思うか」という質問への答え。2003年頃は多くの人が「一時的なもの」と楽観視していたが、今では8割近くの人が「ずっと続くんじゃないのかな」と悲観的な意見に意向しているようすが分かる。
ガソリン価格の高騰は一時的なもの? それとも継続的なもの?
2005年の時点ですでに6割強の人が「ガソリン価格は高止まり」とあきらめムードがただよっていたが、それが今年の3月時点では実に8割近くの人が「値が下がることはないな」と考え、「高騰は一時的なもので、また下がるさ」と楽観視している人はわずか19%にまで落ち込んでいることが分かる。
モータリゼーション国家とも言われているアメリカで、自動車の利用性向が減少するというのは非常に大きな変化をもたらしうることを意味する。自動車産業に関わる人はきわめて多く、彼らのビジネスにも影響を及ぼすことは必至だからだ。日本でなら「携帯電話やインターネットの利用を出来るだけ控えようとする人が増加する」という例が分かりやすいだろうか。
実際のガソリン価格の高騰に加え、心理的な面でもガソリン離れが進むアメリカ。しかも価格高止まりの懸念が現実のものとなれば、彼らの心境・生活スタイルの変化は一層加速されることだろう。大統領選挙の結果、アメリカの外交・石油戦略に大きな変化が生じた場合、アメリカはどのように変わっていくのか。ガソリンや自家用車とライフスタイルの観点でも注目したいところだ。
(最終更新:2013/08/05)
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