市場内部的な雰囲気としては調子を取り戻しつつあるようにも…東京株式市場での外国人投資家の売買動向、九週連続買い超しに
2008年06月06日 06:30
東京証券取引所は6月5日、2008年5月26日から5月30日(5月第5週)における株券の投資部門別売買状況を発表した。それによると先週外国人投資家が株を売った総額は4兆9939億4638万1000円なのに対し、買い総額は5兆1554億4299万7000円となり、差し引き1614億9661万6000円の買い超しとなった。これで九週連続しての買い超しとなり、さらに今回発表週は前回より買い超し額を増しており、「売り転換するのでは」という先週の懸念もひとまず減じた形だ。なお法人は買い超しに転じたが、個人・証券会社は売り超しに転じている(【最新発表リリース、PDF】)。
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5月26日から5月30日における各部門別の売買動向は次の通り。
・法人……8252億0247万9000円/9436億0196万8000円(1183億9948万9000円買超)
・個人……1兆9063億7808万9000円/1兆7229億3522万6000円(1834億4286万3000円売超)
・外国人……4兆9939億4638万1000円/5兆1554億4299万7000円(1614億9661万6000円買超)
・証券会社……1477億5097万1000円/1403億8355万6000円(73億6741万5000円売超)
(それぞれ売り/買い(差し引き))
また、この10週間における外国人投資家の動向は次の通り。
3月24日~28日……127億0251万2000円売超
3月31日~4月4日……3672億7033万9000円買超
4月7日~11日……75億5509万5000円買超
4月14日~18日……1964億7886万2000円買超
4月21日~25日……2064億0542万4000円買超
4月28日~5月2日……3832億7779万8000円買超
5月7日~9日……3917億5965万3000円買超
5月12日~16日……2698億4163万6000円売超
5月19日~23日……928億9697万4000円買超
5月26日~5月30日……1614億9661万6000円買
今回計測週は週の前半がもみあいで推移したものの、木・金と大きく値を上げている。出来高も少しずつながら増えており、個人の信用取り組みもずいぶんと改善されたところを見ると、少なくとも市場内部的な雰囲気としては調子を取り戻しつつあるようにも見える。ただし日経平均で1万4500円の壁は相当厚いようで、今年に下抜けしてからすでに5、6回は弾かれているようにも見える。このまま市場が堅調さを取り戻したとしても、この壁を越えるのは相当難儀するものと思われる。
次回発表週は月曜に直近一か月の最高値を日経平均がつけてから高値もみあいが続いている。出来高もそれなりに増加中で、このまま上を抜けてさらなるステップに進むのか、力尽きて再び下降するのか、微妙な線に突入しているともいえる。年度末決算組の決算発表もほぼ終わりを告げ、とりあえず一つの山場は超えただけに、「今のうちに」上がるだけ上げて欲しいと思っている人は少なくあるまい。そろそろ外国人投資家の連続買い超しも節目をつけるのではないかと思われる状況でもあり、チキンレース的な雰囲気すら感じられる今日この頃だ。
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