セブン-イレブンがサミット向け配送車にバイオディーゼル燃料使用車両を採用
2008年06月03日 06:30
【セブン-イレブン(3382)】は6月2日、配送車両の燃料にバイオディーゼル燃料(BDF)を使った実証実験を6月2日から8月31日の間行うことを発表した。北海道札幌市近郊および苫小牧エリアのセブン-イレブン約460店舗と北海道洞爺湖サミットの弁当供給業務を対象とした配送車両においてバイオディーゼル燃料を使い、二酸化炭素を42.7トンほど削減する見込みとのこと(【発表リリース、PDF】)。
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今回の実証実験で行われるバイオディーゼル燃料の使用の経由
バイオエタノール同様に最近注目を集めているバイオディーゼル燃料は、今回の場合セブン-イレブンの店内でフライヤーを使用し、揚げ物商品として販売している“コロッケ”や“鶏のから揚げ”等を揚げた後の廃油、セブン-イレブンの弁当などを製造する協力工場の揚げ物工程で発生した廃油を回収し、その廃油を精製して製造されたもので、完全循環型のリサイクル燃料となる。
また、バイオディーゼル燃料を用いる車両は58台、走行距離は200万キロメートル、使用量は1万6000リットルとなり、日本国内における実証実験としては最大規模のもの。また、混合率は「揮発油等の品質の確保等に関する法律」にのっとり5%の混和燃料(普通の燃料にバイオディーゼル燃料を5%混ぜる)を用いるため、既存のインフラを活かすことができる。
料理などで使われた廃油をバイオディーゼル燃料として、社用車両の燃料に用いるという試みはいくつかの企業で見られる。最近紹介した例だと【アイシン精機が社員食堂の廃油を通勤バスの燃料に活用】や【食用油の廃油でバスを運行・JR東日本がバイオディーゼル燃料の実証実験】、【「ほっかほっか亭」のプレナス(9945)、廃食用油を再利用して燃料にする「フライ油リサイクルシステム」稼動開始】などが良い例だ。それなりの規模でないと料理で使われた廃油はまとまった量を確保できないため、現在大手の企業に限られるのが難点だが、「実証実験」の段階ではこれも仕方ないのだろう。
将来的には廃油そのものを回収して対価を得られるようなシステムが作れれば、個人ベースで「廃油の再利用」が促進されるのだろうが、現在ではまだ難しい。まずは今回のように、大規模な利用が行われている大手企業から、バイオディーゼル燃料の活用が進められていくものと思われる。
(最終更新:2013/08/05)
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