IHIへ約16億円の課徴金勧告・過去最大~刑事告発は見送り
2008年06月20日 06:30
証券取引等監視委員会は6月19日、【IHI(7013)】で不適切な会計処理が見つかった問題において、金融庁などに対し15億9457万9999円の課徴金を納付する命令をIHIに出すよう勧告したと発表した。この額は日興コーディアルグループに対して行われた課徴金の金額5億円をはるかに上回り、過去最高額となる(【発表リリース】)。
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すでに【IHI(7013)、初の「特設注意市場銘柄」指定へ】でもお伝えしているように、IHIは過去の決算期の工事費用を過少に計上。結果として赤字決算を隠しており、これが虚偽記載に当たると判断された。これらの行為に対するそれぞれの決算期における課徴金を累計し、15億9457万9999円という数字が導かれている。なおリリースに文言が見つからないように、東京地検への刑事告発は見送られている。
この勧告に対しIHI側では同日【声明を発表(PDF)】、「証券取引等監視委員会より金融庁へ勧告がなされたことを真摯に受け止め、金融庁から正式な通知を受領後、対応について検討し、決定次第改めて開示する予
定」であると共に謝罪の言葉を述べている。
なお現在IHIは特設注意市場銘柄に指定されている。課徴金額はきわめて大きく、IHIにも大きな負担となるのは間違い無い。しかし、刑事告発をされなかっただけでも良かったとポジティブに考え、信頼と経営状態の回復に望んで欲しいものだ。
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