東証が金ETFを6月30日に上場・証券コードは1326

2008年06月15日 12:00

株式イメージ東京証券取引所は6月13日、商品現物型ETF(上場投資信託)としては初めてとなる、金価格に連動する「SPDRゴールド・シェア」(スパイダー ゴールド・シェア)の上場を承認したと発表した。証券コードは1326。6月30日に上場予定で、売買単位は50口(【発表リリース】)。

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今回承認された金ETFは、改正された信託法に基づき2008年3月に東京証券取引所が整備した上場制度(商品を直接信託財産に組み入れ、その受益権に基づいて発行された証券を「商品現物型ETF」として上場する仕組み)上のETFとしては初めてのものとなる。

リリースによるとSPDRゴールド・シェアは金現物取引価格の世界標準である「ロンドン金値決め(London gold fixing)」に連動するETF。2004年11月にニューヨーク証券取引所に上場したのをはじめ、世界各地の取引所に上場しており、純資産総額は170億ドル(1.8兆円)とのこと。

SPDRRゴールド・シェアは、主要金鉱山会社により1987年に設立された非営利団体ワールド・ゴールド・カウンシルの子会社であるワールド・ゴールド・トラスト・サービシズ・エルエルシーが管理し、ETFの組成業者として著名なステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズのグループ会社であるステート・ストリート・グローバル・マーケッツ・エルエルシーがマーケティング・エージェントを務めている。

なお具体的にはETF1口あたりの純資産額はほぼ1/10トロイオンス(3.11グラム)に相当する。1トロイオンス≒900ドル・1ドル≒100円と概算して、1口あたり9000円、1単元で45万円前後になるのだろうか。すでに大証が上場している類似ETFの【金連動ETF(金価格連動型上場投資信託)(1328)】が1単元あたり3万円前後で取引できることを考えると、ややハードルが高い。

「大証の金ETF(※正確には「金ETF」では無いがここでは単純表記化する)とどこが違うのか」という疑問がわいてくるが、大証のは「金価格に連動する投資成果を目的として発行された有価証券のみに投資する投資信託」なのに対し、今回の東証の金ETFは「金そのものの受益権に基づいて発行された証券を対象とした投資信託」であるため、金価格との連動性は東証の方が高くなる。

とはいえ、為替の変動に左右されることに違いはないし、金現物との交換も日本国内では行っていない(アメリカでは可能とのことだが最小交換単位は10万口とのこと)など、期待されていた「金現物の現引き」が出来ないのは残念な気がする。また、個人投資家の立場からすれば「取引単元が多少大きいだけで、大証の金ETFと何ら変わりはないじゃないか」というツッコミが入るかもしれない。

今後東証側としては、金ETFの上場で地ならしをした上で、他の商品のETFも次々と送り出し、「金ETFが取引できますよ」ではなく「金も含めて各種商品もETFによって事実上、株式市場で扱えますよ」という点からアピールしていく必要があるだろう。


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【大証で金価格連動の投資信託が8月に上場決定】

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