食料価格にも影響か・肥料大幅値上げ、最大で9割
2008年06月29日 12:00
全国農業協同組合連合会(全農)は6月27日、7月から来年6月にかけての肥料価格について、メーカー各社との交渉結果を発表した。それによると主要12品目において、現行価格から11.65%~89.36%値上げすることが判明した。需要の増大に供給が追いついていないことなどが原因。各種食料自身の需要拡大だけでなく、生産するための飼料の需要も急速に伸びていることで、二重の要素から食料価格に影響が及びそうだ(【発表リリース】)。
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今回発表された肥料の値上げ幅
全農では今回の大幅値上げの理由について次のような要因を挙げている。
・食料需要の増加にバイオエタノールの需要増加で穀物の作付け面積が増加。よって肥料の需要が急増。
・各国が肥料の面でブロック経済化(中国が特別輸出関税措置、実質禁輸措置など)
・肥料原料(尿素・りん酸・加里(塩化カリ))の高騰。
主要肥料原料の価格変移(添付資料より)。
中でも多くの野菜やお米などの栽培にも使われる複合飼料の「高度化成(一般)」が49.50%の引き上げを示しており、野菜などの価格に少なからぬ影響を与えることは必至。また低コスト品目として注目されていた複合肥料の「アラジン」は実質約2倍にあたる89.36%もの値上げとなり、従来の国産品との価格差が大幅に縮小することになる。
先に【飼料価格の値上がりをグラフ化してみる】で示したように、飼料価格も大きな上げ幅を記録している。今後肥料価格の値上がりの面からも、食品価格の上昇が予想される。それと共に今後は肥料の量を減らす手法や、トマトの栽培でよく知られている「無肥料自然栽培」(植物に対して自然に近いストレスを与え、元々持っている力で成長させる)などに注目が集まることだろう。
■関連記事:
【7月~9月期の飼料価格をトンあたり1500円引き上げへ】
(最終更新:2013/08/05)
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