製造を半年から8週間に短縮・新型インフルエンザ用ワクチンの臨床試験スタート

2008年06月21日 12:00

新型インフルエンザイメージ創薬ベンチャー企業のUMNファーマは6月20日、日本国内では初となる細胞培養によって産出されるリコンビナントタンパク製造技術を使ったワクチン「UMN-0501」の臨床試験を開始したと発表した。この手法をもちいることで、従来のニワトリの卵を使う方式では約半年かかっていた製造期間を約8週間に短縮できるという(【発表リリース、PDF】)。

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H5N1型をはじめとする鶏(鳥)インフルエンザが人から人へ感染するタイプに変異した場合、国内外を問わず多くの人が発症し被害を受ける可能性が指摘されている。しかもその変異体を特定・確認してからでないと、対応できるワクチンを開発・製造することは出来ない。さらにワクチンの製造は現状の手法では約半年もかかる。そこで、ウイルスが特定できてからワクチンを開発し終えた後の、製造するまでの期間の短縮が求められていた。

今回用いられる「リコンビナントタンパク製造技術」はアメリカの企業が開発したもの。大腸菌、酵母、昆虫、動物などの細胞に、遺伝子組み換え技術によって作られたたんぱく質を組み込むことで人工的にたんぱく質を作り出し、製造に用いることになる。

臨床試験では20~40歳の男性125人を対象にワクチンを接種。安全性や有効性、用量の検討を行い、年内には結果を出す予定。

既存の病気と異なり、流行しはじめてからでないと開発に取り掛かれず、さらに量産にはこれまで半年以上も期間を要していた新型インフルエンザ用のワクチン。今回の臨床試験が成功裏に終われば、かなりの製造期間の短縮が期待できそうだ。

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