7月~9月期の飼料価格をトンあたり1500円引き上げへ

2008年06月22日 12:00

飼料イメージ全国農業協同組合連合会(JA全農)は6月20日、2008年7月から9月期の配合飼料供給価格について、前期の4月から6月期に比して1トンあたり約1500円値上げすることを決定した。価格そのものは公開されていないが、全体価格に対して約2%前後とのこと。今年発表された過去2回分の上げ幅をすべて足すと約9900円となり、大幅な値上げが続いていることがうかがえる(【発表リリース】)。

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リリースによると今回、あるいは昨今の値上げの原因は主にとうもろこし価格の高騰にあるが、リストアップされている値上げ要因は次の通りとなる。

1.飼料穀物……とうもろこし価格の高騰。在庫の低下による先物価格の急上昇。
2.海上運賃……鉄鋼や穀物輸送需要の増加で高値へ。


ちなみに1月~3月期においては3900円の値上げ、4月から6月期には4500円の値上げが行われている。今回の1500円を合わせると約9900円/トンという計算になる。つまり、1年足らずで飼料1トン当たりのコストが1万円上がったということ。

資料の高騰はそのまま畜産や酪農農家のコスト増につながる。生産品の買い取り価格が上昇してもコストの増加によってすべて食いつぶされてしまう状況も十分ありえる状態で、経営悪化が深刻な問題となっている。

農林水産省でも3年ほど前から資料価格の高騰に対して対策ページを作ると共に、各種戦略会議や懇談会を開くと共に、施政を打ち出している(【該当ページ】)。しかし昨今の急騰ぶりに対策が追いついていないのが現状。

政府側でも6月12日には飼料高の対策に、追加として緊急対策費738億円(主に交付金向け、農水省所管の独立行政法人農畜産業振興機構の、牛肉の輸入関税収入などで作られた基金を使用)を計上することを決めている。しかしその一方で、飼料メーカーと畜産経営者が積み立てた基金で、飼料価格が直近1年間の平均と上回った場合にその額を交付する「配合飼料価格安定制度」(4%ルールとも呼ばれている)が財源不足におちいっており、7月から停止してしまう可能性が高く、対策費の計上が行われるようになった。

酪農農家のコスト高や廃業は、肉、卵、乳製品の供給量減少も相まって価格の高騰に拍車をかけることになる。直接口にすることはない飼料価格であっても、食生活に重要な要素となりうるわけだ。今後も価格動向を注意深く見守る必要があるだろう。

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