店舗全体は7%、照明機器は50%の電力消費量削減に成功・ローソンが全部の新店舗でLEDを採用へ
2008年06月17日 06:30
[ローソン(2651)]は6月16日、2009年3月以降に新規出店する全店舗の看板や店内照明機器にLED(発光ダイオード)を導入することを明らかにした。現在利用している蛍光灯の約半分の消費電力で済むLEDを導入することで、電力量の節約を行い、二酸化炭素排出量の削減にも役立たせるとのこと(【発表リリース】)。
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ローソン千駄ヶ谷一丁目店で行われているLEDの設置実証実験(リリースより)
ローソンではすでに現在31店舗でLEDを採用して実証実験を行っており、その検証の結果照明器具の電力消費量は約50%、店舗全体の電力消費量は7%の削減に成功したという。そのほかにも、
・室内温度上昇防止→温度調整の電力消費量削減
・二酸化炭素排出量削減→概算で年間5トン(1店舗あたり)
・照明機器の買い替え費用削減→約10年間の使用に耐えられるLED(※導入費用はかさむ)
・虫害の低下→紫外線を出さないため飛来虫が寄らない
などの効果があるという。
ローソンではまず新店舗からこのLED導入を行い、追って既存店舗にも採用。また一部報道によればLEDの採用メーカーは1社に絞らず、複数メーカーから選ぶことを予定しているとのこと。
またローソンではLED導入の他に、空調システムの改善、自動調光照明システムの採用、看板に反射板を設置して蛍光灯本数を削減するなど、さまざまな取り組みの中を行い、2012年までに2006年比で二酸化炭素の排出量を1店舗あたり10%削減することを目標にする。
他の産業以上に景気の影響を受けやすい小売業、特にコンビニエンスストアは、昨今の消費縮小の中で苦境を強いられている。それぞれのチェーン店は独自の工夫を凝らして経費を削減すると共に企業アピールを行い、他店舗との違いを強調して集客を推し量ろうとしている。
今回のローソンによるLED導入は、初期費用がかなり大きいものの(LEDの価格は現状でも蛍光灯と比べて数倍もする)、ランニングコストの削減だけでなく「二酸化炭素排出量の削減」という対外的アピールにも十分かなった効果を生み出している。今後さらに効率の良いLEDが開発された時に、既存のLEDとの差し替えをどの時点で判断するのかなど課題も無くはない。しかし、多数の店舗が展開するコンビニでのLEDの大量差し替えは、大きな「動き」のきっかけとなるに違いない。
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