【更新】「外食減らす」は3割! 減る外食・増える自炊や中食
2008年06月05日 08:00
C-NEWSは6月4日、外食に関する調査結果の一部を発表した。それによると、今後外食を減らすと答えた人は26%にも登っていることが明らかになった。増やす人が6%でしかないことを考えると、世間の大勢は「外食を減らす」方向に向いているようである([発表リリース])。
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今調査は5月1日と2日にネット経由で行われたもので、有効回答数は300件。男女比は1対1、年齢階層比は20・30・40・50代と60歳以上で均等割り当て。
この一年間で外食の費用が増えた人は約3割で、減った人の2割を上回る結果が出ている。しかし「今後」外食の出費をどうするかたずねたところ、「今のまま変えない」がもっとも多く7割近くを占めていたものの、「減らす」が26%を占め、「増やす」の6%を大きく上回る結果となった。
「今後」外食の出費をどうするか
変えない人が過半数いるものの、「減らす」から「増やす」を引いた減少傾向ポイントは20にも達している。しかも次のグラフを見れば分かるが、特に削られそうなのは日常の外食。
特にどのような外食の支出を減らす予定か
そのうち58%の人が
「普段のお昼の外食を減らす」
「外食費を減らす予定」と答えた人のみに具体的項目を聞いているので、全回答数は78件と少なく、データそのものがぶれを生じている可能性がある。とはいえ、非定期的な特別の外食よりも「サラリーマンなどがお昼に足を運ぶ食堂、レストランなどにおける、平日の昼が代表的な例として挙げられる、頻度の高い普段の外食」を減らす傾向が強いのは、外食産業側からは無視できない傾向といえる。
また、たとえ外食をするにしても節約志向が強まっていることが分かる。
飲食店で注文をする際、最近あなたが心掛けていることは
小売業や外食産業では客単価の下落が著しい。企業側もお客離れを防ぐため、お得なセットメニューや割引セールを行っているため、という理由もある。しかしそれを差し引いたとしても、単に購入商品一つ一つの単価が下がっているだけではなく、お客側の選択として「ぜいたくは敵だ」とばかりに節約を考え、メニューを厳選しているようすがうかがえる。
外食を減らすとしても、何も食べないわけにも行くまい。代わりにどのような食事スタイルをとるのだろうか。「この1年で」外食以外で増えている食事形態をたずねたところ、「自宅で料理を作って食事をする」、つまり「自炊」が34%を占めていた。
「この1年で」外食以外で増えている食事形態
中には食事回数そのものを減らすという「絶食派」もいたが、「自炊派」以外にお店で弁当や惣菜などを購入して食べる「中食派」、そして自分で作った弁当を持参する「弁当持参派」が目だって増えているのが分かる。材料費や手間ひまなどの問題もあるが、自分でコントロールできる領域が大きければ、工夫次第で費用の節約の範囲も増えてくる。全部お任せな「外食」よりも「中食」、そして「中食」よりも「自炊」へのニーズが高いのも理解できよう。
「外食」から
「自炊」「中食」へ。
そして非日常を
「外食」で堪能する。
「外食費を減らす」意向が強いことから、今後ますます「自炊派」「中食派」「弁当持参派」が増えることは容易に想像がつく。健康志向、原材料の安全性の問題も一因だが、外食の減少と自炊・中食などの増加の最大の要因は「費用節約」にある。常日頃の食事を外食に任せていては、不景気に立ち向かえないという判断が各自に働いているのだろう。また先に【サラリーマンのおこづかいは2500円のダウン・月4万6290円に】で掲載したように、サラリーマンのお小遣いが減少している傾向も見られる。手持ちのお金が減らされれば、まずは大きな出費を占める外食(平日のお昼)をやりくりするしかない、というあんばいだと思われる。
一方で公開データからはごく一部しかかいまみれないが、特別なイベントや気分転換、心地よさが求められる時、または自分が作れない料理などを食べたい時には、外食を選ぶ傾向が依然として強いとのこと。
景気回復基調が今しばらくは見えそうにないだけに、今後も「普段の食事は自前で準備」する傾向は強まるだろう。そして外食はこれまで以上に「非日常性の演出」、つまり「単なる食事の提供」ではなく、「食環境そのもののを含めた、トータルな食文化の提供」が強く求められるに違いない。
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