約2割が「DS使って自分で勉強!」、ジャンルは「語学」「脳力」「漢字力」
2008年06月18日 08:00
gooリサーチと慶應義塾大学デジタルメディア・コンテンツ統合研究機構は6月17日、ゲーム機やパソコンを利用した自己学習に関する調査結果を発表した。それによると学校や塾による教育機材としてではなく、自ら望んでゲーム機やパソコンで学習をしている人は全体の3割にのぼり、ニンテンドーDSを使っている人は2割に達していることが明らかになった。また学習しているジャンルは「語学」がもっとも多く、「脳力」がそれに続いている(【発表リリース】)。
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今調査は2月22日から25日、インターネット経由で行われたもので有効回答は1063人。男女比は50.05対49.95、階層比は学生25.96%・パートやアルバイト13.73%・主任や係長/講師や助手クラス10.25%・一般社員27.19%など。
インターネットやパソコン、ゲーム機などをツールとして利用し、先生・講師側の指示(あるいは提示)に従い学習をすることを特に「eラーニング」と呼ぶ。遠隔地でも教育を受けられるという点はテレビやビデオのような映像メディアと変わらないが、受講側(生徒側)が入力などの作業を行い反応を見ることができるという「双方向性」や、パソコンやゲーム機ならではの特性(データの記録、反復など)が活用できるのがポイント。
今調査ではその「eラーニング」以外に、電子機器を使った(自己)学習についてもたずねており、こちらについては「特に何もしていない」が7割弱を占めた。逆に考えれば、約3割は何らかの形で「電子機器を使った自己学習」をしていることになる。
eラーニング以外の、電子機器を利用した「学習」について(複数回答)
機種別では圧倒的にDSが多く、約2割を占めている。他のゲーム機などもあるが、ケタ違いの少なさでしかない。これは『東北大学未来科学技術共同研究センター川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング』の大ヒットによってDSというプラットフォームが「手軽で広範囲に普及した携帯ゲーム機で、気軽にゲーム感覚で頭のトレーニングが出来るマシン」として認知され、多くのメーカーが参入し、同時に多数のユーザーがソフトを買い求めて実践したからに他ならない。また、パソコン(非ネットワーク接続)の割合が多いのは、主に学生(低学年)向けのソフトや、キーボードタイピングの練習ソフトが該当するのだろう。
それでは「電子機器を使って学習している」人は、具体的にどんなことを学んでいるのか。この設問には「語学」と答えた人がもっとも多く6割を占めていた。
電子機器を使って何を学習しているのか
「語学」に続くのは「脳トレ」で新しい言葉として普及している「脳力」が4割、さらに「漢字」が3割近くを占めている。入力系の問題や気軽さという点を考え、これらのジャンルの「学習」が好まれているのだろう。
またこれらの結果は逆に、それだけ多くのソフトがこのジャンル向けとして発売されているということに他ならない。挙げられた他項目でも、例えば「簿記」「マナー」「株」など、具体的に「あぁ、あのソフトね」と頭にイメージが思い浮かぶものがあるはず。「語学」「脳力」「漢字」は多くの人に好かれている「学習項目」であると同時に、メーカー側からも「注目されている」分野ともいえる。
ゲーム機やパソコンを使って「自己学習」している様子も第三者の目からは、遊んでいるように見えるかもしれない。また、努力して知識を積み重ねていくという姿から、かけ離れているように感じる人も多いだろう。勉強は苦労をしなければ知識を増やし、応用力を磨けないのは事実。しかし同時に、楽しく学ぶことでもそれらを習得する方法も、山ほどあるのもまた事実。
すべての勉強を電子機器による勉強に頼るのは問題(将来はそのような学習スタイルになるかもしれないが……)。しかし保護者の立場ならば子どもが「自ら進んで」取り組もうとしている行為自身を評価し、直接・間接的にプラスとなる「勉強」を認めてみてはいかがだろうか。
(最終更新:2013/09/06)
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