「お値段2倍でも国産野菜・検査完璧な肉」進む食の安全志向
2008年06月07日 12:00
子育て・育児支援のポータルサイト【こそだて】を運営するブライト・ウェイは6月5日、同サイト上で実施していた物価高に関するアンケート調査の結果を発表した。それによると、肉や野菜、魚などの食品において、出所が分からないようなものや海外ものよりは、値段が高くとも国産のもの、出所調査などをしっかりとした検査済みのものを選ぶ傾向が強いことが明らかになった。物価高が進む一方、同時に食の安全への意識も高まっているようすが見られる(【発表リリース】)。
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今調査は2008年5月1日から31日に「こそだて」上で行われたもので、有効回答数は657人。男女比は121対536で、平均年齢は33歳。29・30歳をピークとする標準偏差とのこと。
燃料費と並び食品の価格も高騰を続けていることで家計を圧迫しているが(【灯油+29.2、スパゲッティ+30.2%、即席めん+18.4%……必需品で急騰する物価】)、それでは「安かろう悪かろう」の選択をする傾向にあるのだろうか。少なくとも今回調査の対象となった「子育てをしている家庭」においては、価格高騰とほぼ同時期に話題に登っている「食品の安全性」への傾倒度も高いようだ。牛肉、野菜、魚の3食品において、「安いが問題かもしれない」「高いがリスクは低い」の選択肢を提示したところ、多くの人が後者を選んでいる。
牛肉を購入する場合、どちらを選びますか
野菜を購入する場合、どちらを選びますか?
魚を購入する場合、どちらを選びますか
味や部位、大きさなど他条件は同じとしても、国内産や産地がはっきりしているものを選ぶ傾向がきわめて強い。全般的には「8割強が価格が2倍でも国産を選ぶ」と答えている。選択肢が二択しかないのが問題だが、【国産食品なら割高でも良い額は●●%・高まる国産への期待】などを見れば分かるように、現実問題としては2割前後ぐらいまでが許容できる範囲なのだろう。ただ、今回の調査母体が「子どもを持つ家庭」に限定されていることから、子どもの将来・健康を考える意識が強い保護者の立場としては「たとえ2倍でも……」という親心が働いているものと思われる。
その一方、魚の項目を見れば分かるように、「国内産なら安いものでも養殖でよい」といった形で、国内産至上主義的な雰囲気も見て取れる。
食の安全に敏感な子ども持ちの夫婦だが、食品の流通経路が消費者サイドでも把握できるシステム「トレーサビリティ」については、41.6%の人が「聞いた事もない・知らない」と答えている。まだまだ啓蒙が足りないのと共に、「店側が表示したことに間違いはない」という、表示をうのみにしてしまう・頼り切った姿勢のようだ。
販売側には消費者の期待に応えるよう、産地偽装などを避けるよう努めてもらうのはもちろんのお話。それと共に消費者側も自分で安全が確認できるよう(≒自己防衛ができるよう)、知識を身につけていくべきだろう。
(最終更新:2013/08/05)
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