2008年5月度のコンビニ売上高は「タスポ特需」で既存店は3.7%のプラス

2008年06月21日 12:00

コンビニイメージ日本フランチャイズチェーン協会は6月20日、2008年5月度におけるコンビニエンスストアの統計調査月報を発表した。それによると5月は天候が不順で雨の地域が多かったものの、成人識別たばこカード「タスポ」の影響を受け、たばこの売り上げが堅調に推移。来店客数も大きな伸びを示した(【発表リリース、PDF】)。

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今調査の概要は、月次展開一覧を収録したまとめページ【コンビニエンスストア(日本フランチャイズチェーン協会発表)】上で説明している。そちらで確認してほしい。

各データについて前年同月比は次のようになる。

●店舗売上高:既存店は3か月ぶりにプラス、全店は11か月連続プラス
・全店ベース……+5.8%
・既存店ベース…+3.7%

●店舗数
・+1.3%

●来店客数:既存店は2か月連続プラス、全店は22か月連続プラス
・全店ベース……+4.9%
・既存店ベース…+3.0%

●平均客単価:全店は3か月ぶりにプラス、既存店は10か月ぶりにプラス
・全店ベース……+0.9%(584.5円)
・既存店ベース…+0.6%(579.2円)

●商品構成別売上前年同月比(全店ベース)
・日配食品……+2.5%←タスポ効果の「おすそわけ」
・加工食品……+0.7%
・非食品………+15.9%←タスポ効果炸裂
・サービス……+5.2%←相変わらず堅調
・合計…………+5.8%

※既存店……1年以上営業中の店舗


5月は例年に比べると天候の移り変わりが激しく、東日本太平洋側・西日本で雨が降る日が多かった。しかし先日から報じているように、成人識別カード「タスポ」を導入した自動販売機の導入地域が拡大するにつれ、カードを使わない・購入するのが面倒な喫煙者によるコンビニへのシフト傾向が顕著となり、「非食品」の分野に含まれるたばこの売り上げが大いに伸びた。また、たばこ購入者が足を運ぶため、来客数も増加。たばこは1つ300円前後で、2つ購入すれば直近の顧客平均単価を上回るなど購入額も大きいため、客単価も引き上げている。

タスポ導入による
喫煙者のスライドは
たばこだけでなく
他商品のセールスもかさ上げ

天候が不順な以上、下手をするとマイナスの数字すら覚悟しなければいけない状況で、全項目においてプラス、特に「非食品」が前年同月比でプラス15.9%というのは飛びぬけた値であり、まさに【コンビニでたばこの売り上げが急増している件について】で触れた「タスポ特需」に他ならない。

ここしばらくの間、コンビニ共通の課題点であったお弁当を中心とする「日配食品」項目も今月は大いに伸びている。リリースコメントには「パンやデザートが好調」とあるので、たばこのついでにちょっとした口直し・おやつでも買おうか、というニーズに合致したものと思われる。また先の参照記事にもあるように缶コーヒーも「ついでの買い物」品として人気とのこと。

先月データ記事にあるように、5月はまさに「神風」が吹いた感がある。コンビニ側でもこれを好機ととらえ、積極的なたばこ販売や「ついで商品」の展開に力を注いでいる。いつまで風が吹き続けるのかは見当がつかないが、ここしばらくはたばこ販売に後押しされる形で、業績の堅調さが続きそうだ。

なお4月から過去データについては(他の産業月次レポート同様に)まとめページにリンク集を掲載している。過去のデータは【まとめページ】からたどってほしい。

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