ケータイ広告普及進む・2007年度は2割、今後3割が「新規に使うかも」
2008年06月03日 06:30
日経広告研究所、日経メディアラボ、株式会社ディーツー コミュニケーションズは6月2日、携帯電話を利用したモバイル広告に関する企業の利用動向調査結果を発表した。それによると、モバイル広告の2007年度利用率は約2割におよび、現在利用していない企業でも「今後利用を検討したい」と考えているところは約3割に登ることが明らかになった。携帯電話の普及と共に、広告出稿媒体としての認知も高まりつつあるようだ(【発表リリース、PDF】)。
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今調査は日経広告研究所の調査データ「有力企業の広告宣伝費」の上位企業1500社を対象に、2008年2月18日から3月18日にかけて行われたもので、うち218社が回答した。回収率は14.5%。母数がやや少なめのため、実情とは多少のぶれが生じている可能性を考慮した上でデータを見る必要がある。
2007年度においてモバイル広告を出稿(広告を出す)した企業は全体の約2割、18.3%に達した。これを携帯電話向けのサイトを常に設置している企業に限ってみると、4割以上の企業が出稿したと答えている。
モバイル広告の出稿の有無
元々携帯電話向けのサイトを持っていないところが広告を出しても意味が無い。常設以外の企業が携帯電話向けの広告を出す場合、臨時のサイトを開設することになり、二重に手間がかかる。そのことを考えると、「企業全体に占める」モバイル広告の出稿率が2割に満たないのはいたし方の無いところ(ちなみにパソコン向けの広告出稿率は53.2%と過半数に達している)。
ただし携帯電話向けサイトの常設企業に限れば、出稿率は優に42.9%に達している。しかもその伸び率はパソコン向け広告出稿率のそれに比べても大きい。システム整備の過程にある、という事情もあるが、今後携帯電話向けの広告出稿の割合はさらに急速に増加することが期待される。
成長の期待を裏付けるのが、次の調査項目。現在モバイル広告を出稿していない企業に対し、今後の動向をたずねたところ、全体では27.7%の企業が出稿に前向きの意見を述べている。
現在非出稿企業に対する今後のモバイル広告の出稿意向
全体では27.7%
ケータイサイト保有企業は43.2%
モバイルサイト保有・非保有を問わず企業全体では27.7%と約3割、現在すでに携帯電話向けサイトを常設している企業では実に43.2%の企業が「今後の利用に前向き」の意向を示している(「常設」「未出稿」で限定すると母数が37社なので、実情とはぶれが生じている可能性もある)。
携帯電話向けの広告は配信側のシステム整備が進んでいないことや出稿企業側の体制が整っていない(誘導先サイトが無い)などの理由で、パソコン向けサイトの広告と比べて立ち遅れているのが現状。しかし携帯電話の特性(口コミ効果、ターゲティングのしやすさなど)から、大いに注目を集めているのも事実。
今後表現力の向上や定額制の普及に伴い、広告分野でも携帯電話は今以上に注目を集めることだろう。もちろんパソコン上で発生したさまざまな問題点が携帯電話上でもおきることが想定されるため、それへの対処も(パソコンでの経験則を活かして)行うことが求められよう。
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