食品高騰で流行るもの、メールではなく本物の「スパム」

2008年05月31日 12:00

スパムイメージ【ヤフーニュース(海外)】が伝えるところによると、食品価格の高騰でアメリカではスパム(コンビーフのような塩気の強いブロック加工ことランチョンミートの缶詰)の売り上げが伸びているという。他の食用肉と比べ価格が安く、入手もしやすいからだとのこと。「あまりにもありきたりですぐに飽きてしまう」食品の代名詞として使われることの多いスパムも、今や「物価高に悩む庶民の食生活の救世主」の立ち位置を得そうである。

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スパムファミリー
食品価格高騰で注目を集めるスパムたち

元記事によれば【Hormel Foods Corp】では第2四半期の中間決算において主力製品のスパムの売り上げが堅調であったことから、純利益が前年比14%のプラスに達したと発表している。また、ニールセン社の調査では5月の時点で昨年と比べスパムの販売数が10.6%、この24週間では9%上昇しているという。

スパムは元々加工肉の缶詰として庶民の間に広まっている食品だが、通常の牛肉・豚肉の代替品(&割安品)として用いられる場合が多いことから、「積極的に好まれる」食品の類ではない。また、昔モンティ・パイソンの寸劇で、バイキングたちがスパムのことを何度も何度も残響音のように「スパムスパムスパム」と繰り返し叫び、周囲の人たちの会話をかき消してしまったエピソードや、アメリカ陸軍の食事においてあまりにも多用されたことから、「繰り返されるもの」(特に不必要な迷惑メール)の代名詞としても使われている。もちろんスパムそのものは日本では(米軍経由、という歴史からか)沖縄でよく用いられる食品で、コンビーフと並び素晴らしい加工肉食品であることに違いはない。

世界中の傾向に違わずアメリカでも食品価格の高騰は続いており、そのペースは年間4%以上のペースに達している。特に主食品の値上げは著しく、白パンは13%、ベーコンは7%、ピーナツバターは9%の値上げが見られる。しかもこの上昇は現在も加速をつけているようすで、4月現在食品の価格上昇率は年率で6.1%に及んでいるとのこと。スパム自身も例えば12オンス(340グラム)サイズが1年間で17セント(7%)値上げされ2.62ドルになったが、豚肉や牛肉の代替品として注目を集め、今回のような「売り上げ増」につながっている。

今までスパムを食べてこなかったような人たちも、「安い肉」としてのスパムに目をつけ、認識し、ファンになりつつある。スパムメーカーのHormel FoodsのプロダクトマネージャーであるSwen Neufeldt氏は次のようにコメントしているという。「(この食品価格の高騰で)スパムは家族への浸透度を高めることができた。多くの人ははじめてスパムを手に取る人である一方、かつてスパムを(例えば戦場などで)食べた経験のある人も少なくないだろう」と。

元記事では食費を節約するために、スパムとインスタントラーメンを多用し、それだけでは栄養分が不足するので、冷凍の有機野菜を加える家族のようすが紹介されている。日本ではどんな肉系食品がスパムの立ち位置にあるのかは分からないが(かつては魚肉ソーセージだったが、それも大きく値上がりしている)、似たように食品の価格高騰でこれまであまり注目されてこなかった「かつてのヒーロー」が再びスポットライトを浴びるようになるのかもしれない。

……ためしに某所のチャットで尋ねたところ、「うまい棒」「米」などの返答を得ることが出来た。前者はともかく後者は兆候として見受けられているのは事実であり、今後さらにその傾向がはっきりと見えてくることだろう。

(最終更新:2013/08/30)

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