金曜日には続伸したものの大きく上髭をつけて終わる…東京株式市場での外国人投資家の売買動向、八週連続買い超しに
2008年05月30日 06:30
東京証券取引所は5月29日、2008年5月19日から5月23日(5月第4週)における株券の投資部門別売買状況を発表した。それによると先週外国人投資家が株を売った総額は5兆1975億7207万9000円なのに対し、買い総額は5兆2904億6905万3000円となり、差し引き928億9697万4000円の買い超しとなった。これで八週連続しての買い超しとなったが、今回発表週はやや買い超し額を減じており、ターニングポイントに差し掛かったのでは、との懸念も無くもない。なお法人は引き続き売り超しだが、個人・証券会社は買い超しに転じている(【最新発表リリース、PDF】)。
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5月19日から5月23日における各部門別の売買動向は次の通り。
・法人……1兆1216億2806万5000円/1兆0937億2922万9000円(278億9883万6000円売超)
・個人……2兆0739億0475万5000円/2兆2920億7015万8000円(2181億6540万3000円買超)
・外国人……5兆1975億7207万9000円/5兆2904億6905万3000円(928億9697万4000円買超)
・証券会社……1648億8966万2000円/1790億1993万4000円(141億3027万2000円買超)
(それぞれ売り/買い(差し引き))
また、この10週間における外国人投資家の動向は次の通り。
3月17日~21日……680億4431万9000円売超
3月24日~28日……127億0251万2000円売超
3月31日~4月4日……3672億7033万9000円買超
4月7日~11日……75億5509万5000円買超
4月14日~18日……1964億7886万2000円買超
4月21日~25日……2064億0542万4000円買超
4月28日~5月2日……3832億7779万8000円買超
5月7日~9日……3917億5965万3000円買超
5月12日~16日……2698億4163万6000円売超
5月19日~23日……928億9697万4000円買超
今回計測週は週の前半が大きく下げ、特に水曜日は日経平均が窓を開けてまでもの急降下を見せ「暴落再びか」との懸念が市場に広まった。しかし木曜日にはやや持ち直しの雰囲気を見せる。だが金曜日には続伸したものの大きく上髭をつけて終わり、次週(つまり今週)へやや不安要素を残しての週末となった。全般的にこの三か月に限ると3月中旬の急落……日経平均で1万2000円割れ……を節目に、調整をこなしつつじわじわと上昇を続けている東京市場だが、外国人投資家の買い転換とほぼタイミングを同時にしており、いかに彼らの売買動向が市場に大きな影響を与えているかが分かる。
次回発表週は水曜まで値幅が比較的大きな中で乱高下を繰り返していたものの、木曜日には大きな材料も無い中で3%以上の上げを記録している。日経平均のチャートで見ると、火曜~水曜で一度、五日・二十五日平均移動線がクロスしており、木曜の上げはこれを修正して再び五日平均移動線を押し上げようとする動きにも見える。果たしてこのまま東京市場が堅調に推移していくのか、それとも再びチャートが下向きに転じるのか。八週連続の買い超しは、やや長きに感じるところもあり、今後の外国人投資家の売買動向に注目が集まるところだ。
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