経済指標、興味があるのはやはり「モノの値段」
2008年05月26日 08:00
gooリサーチは5月22日、経済指標や景気判断の知名度などをインターネット経由で調査した結果を発表した。それによると、主要7経済指標・景気判断のうち「消費者物価指数」と「完全失業率(労働力調査)」がもっとも知名度が高く8割以上の人が聞いたことがあると答えていた。また、もっとも興味があるものもやはり「消費者物価指数」で、ものの値段に深いかかわりのある同指標には注意が集まっているようである(【発表リリース】)。
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今調査は4月下旬にインターネット経由で行われ、18歳以上の男女1071人が回答した。男女構成比、年齢階層比などは非公開。
主な7つの経済指標・景気判断のうち「聞いたことがある」と回答されたものは「消費者物価指数」と「完全失業率(労働力調査)」で、共に81%という高い値をはじき出した。10人に聞けばそのうち8人以上が「聞いたことある」と答えたことになる。
各経済指標、それぞれについて聞いたことがありますか?
気をつけなければならないのはあくまでも「聞いたことがある」であり、中身を知っているかどうかは別問題なこと。もっとも回答率の高い「消費者物価指数」と「完全失業率(労働力調査)」にしても、テレビや新聞、雑誌などで見聞きしたことはあっても「では具体的に……」と聞かれたら、たとえ三行程度で答えて欲しいといわれてもほとんどの人が押し黙ってしまうことだろう。ちなみに上位2つの意味は次の通り。丸暗記する必要はないが、「こんなものなんだな」程度に知っておくと、何か役に立つかもしれない。
・消費者物価指数(CPI)
……全国の世帯が購入する家計にかかわる財やサービスの価格などを総合した物価の変動について、時系列的に測定するもの。つまり家計の消費構造を一定のものに固定し、これに要する費用が物価の変動によって、どう変化するかを指数値で示したもの。毎月作成され、発表されている。指数計算に採用している各品目のウエイトは総務省統計局実施の家計調査の結果などに基づいており、品目の価格は総務省統計局実施の小売物価統計調査によって調査された小売価格を用いている。単に発表されておしまいではなく、結果は各種経済施策や年金の改定などに利用されているため、案外重要。
・完全失業率(労働力調査)
……日本の15歳以上の人口について、就業時間・産業・職業などの就業状況、失業・求職の状況など、月々の就業・失業の状態を把握することによって、就業者数、完全失業者数、完全失業率などの景気判断や雇用対策などの基礎資料となる結果を提供する調査。そのほかに、正規・非正規といった雇用形態別の雇用者数などの詳細な結果についても四半期ごとに提供している。
聞いたことがある指数は案外多かったが、その中で値動きに関心を持っているのはどれだろうか。こちらの値は「知っている」と比べるとずいぶんと低くなるが、それでももっとも多いのはやはり「消費者物価指数」だった。物価高や安定を国が発表した経済指標で再確認できるとして、つい気になってしまうようだ。
動向に関心を持っている指標
いずれも値が「聞いたことがある」の半分以下で、「特に無い」が4割近くを示している。多くの人にとっては「どんな数字が出ようとも自分の暮らしに何か影響があるわけではなく(=自分の暮らしがあってこそ、結果として数字が出ている)」「結果がどうあれ地球は回り続ける」のであり、実生活に必要・影響があるわけではない、ということなのだろう。
確かに「完全失業率が●%を超えたから、来月から給料1割引」とか、「消費者物価指数が○%下落したので、ラーメン定食50円割引します」などといった話は聞いたことがない。要は外部的要因として耳にしたことはあっても、実社会に使うことはあまりない、ということと思われる。
「見聞きはしても使わない」。経済指標・景気判断に対する世間一般の意見は大勢がそのようなもののようだ。「どのような場面で使うか」という質問にも「社会常識を高めるため」が50%と半数に達していたものの、あとは「株売買など投資判断の参考として」34%、「仕事」22%など、それなりにその方面で必要とされる場合においてのみ、という回答が多数を占めていた。
これらの経済指標はよくも悪くも名前そのものが概要を示しているため、上記に示したような詳細の内容を知らなくとも、何となく雰囲気で意味が分かってしまうような気分にさせられる。実際、たいていにおいてそれで問題ないのだから、よく出来ているものだ。
しかしそれらの数字をじっくりと見てみると、「ぱっと見」「テレビや新聞の解説」では分からなかったことが見えてくることも多い。機会があれば、手元のパソコンなどを使い調べてみるのも悪くはないだろう。新たな発見を得られるかもしれない。
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