加速するゲームセンター離れ・理由は「多忙」「割高」「自分の環境の変化」など
2008年05月25日 12:00
マイボイスコムが5月25日までに発表した調査結果によると、直近1年の間にゲームセンターに通う割合が減った人、あるいはいかなくなった人は2割を超えていることが明らかになった。また、ここ数年来で行かなくなった人も合わせると、3割以上の人がゲームセンターから遠ざかっていることが分かる。理由としては忙しくなったことやゲームそのものの割高感など、いくつもの原因があるようだ(【発表ページ】)。
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●「減った」は2割・「増えた」は5%未満
今調査は5月1日から5日までの間、インターネット経由で行われたもので、回答者数は1万4373人。男女比は46対54で、年齢階層比は30代がもっとも多く37%、次いで40代の29%、50代以上の17%など。
1年前と比較してゲームセンターで遊ぶ頻度が増えたか減ったかをたずねたところ、純粋な「減った」派は約2割に達していた。
1年前と比較してゲームセンターで遊ぶ頻度はどのように変化したか
「減った」が引き続き通っている人は約2割だが、「この一年間で行かなくなった」つまり「究極の『減った』」が3.5%存在する。これをあわせると「一年の間にゲームセンターから(度合いはともあれ)離れるようになった人」は23.9%ということになる。「増えた」派の4.5%から差し引いても19.4ポイントの減少傾向が見られる。
さらに「1年以上前からゲームセンターでは遊んでいない」と回答する人が11.5%いる。「元々ゲームセンターでは遊ばない」とは別項目にあることから、この項目は「数年前まではゲームセンターでは遊んでいた。しかし1年以上前に遊ばないようになってしまった」と解釈するべきだろう。そう考えると、「数年来でゲームセンターに行かなくなった、あるいは行く回数を減らした人」は35.4%にも達することになる。
●足が遠のく理由は多種多様
ゲームセンターへの来場では減少傾向が際立っているように見えるが、「減った人、行かなくなった人」に対してその理由を尋ねたところ、実に多種多様の結果が見えてきた。
ゲームセンターの利用が減った理由・行かなくなった理由(複数回答)
少々縦に長いが、この際だから全部掲載することにする。上位には「時間が無い」「ゲーム料金が高い」「生活環境が変わった」「面白いゲームが無くなった」など、「本人の事情」と「ゲームセンター側の事情」の二つに大別する理由がうかがえる。
上位項目をあえて当方(不破)の独断で分類すると次のようになる。
■本人の事情
・時間が無くなった
・生活環境が変わった
・ゲームセンターにいくお金が無くなった
■ゲームセンターの事情
・費用が高くなった
・面白いゲームが無くなった
・たばこが嫌い、苦手
・自分の好きなタイプのゲームが無くなった
・生活行動範囲にゲームセンターが無くなった
・子どもが興味を示さなくなった
■その他第三者的要因
・家庭用ゲーム機で遊ぶようになった
・パソコンでゲームをやるようになった
・プライズ系ゲームに欲しい商品が無くなった
「携帯電話の存在」や「ゲームセンターの敷居が高くなった」「ゲームの難易度の高レベル化」など、普段ゲームセンターの問題点として指摘されているような事柄に賛同する意見はさほど多くない。むしろ「利用者本人のライフスタイルの変化」「ゲームセンター側の環境整備配慮の問題」「他の類似メディアの方への魅力を感じるようになった」などの要素が多数を占めていることがわかる。
お客側の多忙感や生活環境の変化は仕方が無いところがあるが、「ゲームセンターの事情」項目に挙げられている「行かなくなった理由」は、思い返してみれば納得のいく部分が多い。元々少子化や不況によってゲームセンターの苦戦が現実のものとなる中で、カードバトルタイプの対戦ゲームを導入しゲームプレイとカード収集の相乗効果を狙ったり、サラリーマンなどの大人も楽しめるような雰囲気作りをする努力が行われている。
しかしデータをみる限り、それらの対応策がむしろ逆効果を生み出している可能性がある。本来なら「ゲームセンターへ行く機会が増えた」人に「増えた理由」を聞き、それと比較しなければその可能性を確かなものとすることはできない。だが、「減った」人の割合が「増えた」人の数倍にも及ぶため、まずは「流出を食い止める」ことが優先されよう。
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