国産食品なら割高でも良い額は●●%・高まる国産への期待
2008年05月23日 06:30
エルゴ・ブレインズは5月22日、食についての調査の結果を発表した。それによると安全性などを考慮した上で国産食品に対する意識が前回調査の2007年11月と比べて高まっていることが明らかになった。食に関するさまざまな出来事がある中で、「多少高くても良いから安全で安心な国産食品を口にしたい」というニーズが浸透しているようだ(【発表リリース、PDF】)。
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今調査は4月30日から5月9日までの間、ネット経由で1000人の有効回答を得た結果を元に分析したもの。男女比は60.5対39.5。年齢階層比は25~29歳が12.9%、40~44歳が11.9%、65歳以上が11.6%など。
さまざまな「食」に関する質問が今調査結果報告では行われているが、今回は「国産食品の割高許容額」にスポットライトを当ててみる。輸入食品と比べて割高なことが多い国産食品について、何割増までなら購入すると思うかをたずねたところ、「~10%割増しまで」と答えた人がもっとも多く、36.3%を占めた。
国産食品について、何割増までなら購入するか
前回調査も今回調査も「~10%割増」の層が一番多いことに違いはないが、「~10%割増」回答者の割合が減り、それより上の金額層がいずれも増加しているのが分かる。単なる誤差では説明がつかず、より「安全性を求める」=「高い金額を払ってでも安全な食品を口にしたい」ニーズが強まってるようすがうかがえる。
これらの数字について、各割増層の上限で回答層を平均化し、さらに「それ以上」の層は「40%割増」と仮定して平均化すると、「17.4%」という数字が出る。ややぶれが生じていることは否めないが、「国産食品を購入するために許容できる割増価格は17.4%」と概算しても良いだろう。たとえば100円の海外産の菓子パンを買うのなら、117円の国産の菓子パンを買った方が良い、と判断するということだ。
ではなぜ割増価格の国産食品でも良いのか。聞くだけ野暮な感もあるがたずねたところ、「安全性」と答えた人がもっとも多く、実に8割を超えていた。
なぜ割増価格の国産食品を選ぶのか
従来「国産食品」という表現には「新鮮さ」「美味しさ」などのイメージが強かったはず。それらの項目にもそれなりの得票があるが、今調査ではそれらをはるかに上回る割合で「安全性」「信頼性」が求められていることが分かる。昨今の事件が食の安全に対する認識を高めさせたことになるのだろう。
他の多数の記事でお伝えしている通り、昨年後半以降資源全般の価格が急騰し、それに伴い食品の値段もうなぎ登りで上昇している。消費者サイドとしては、高いからといって食事を抜くわけにもいかず、いかに安いものを手に入れるか四苦八苦している。そのような状況下においてもなお「1割、2割ほど高くても、安全で信頼性のある国産食品を食べたい」というニーズがわき上がっているのは注目に値すべき傾向といえる。
海外産で問題が相次いだ現状において、消費者の多くは単純明快な判別方法として国産かどうかをチェックし、「国産ならば安心だ」と信じている。企業や生産者は正しい情報を分かりやすく提供すると共に、この期待に応える必要があると再確認しなければならない。陳腐な言葉かもしれないが「愚直なまでの誠実さ」が求められる時代なのだろう。
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