「ガムをかむと一時的記憶力向上」脳の画像チェックで確認される

2008年05月19日 08:00

ガムイメージ放射線医学総合研究所と神奈川歯科大学の研究チームは5月9日、ものをかむ「チューイング」行為が脳に刺激を与え、得た情報を一時的に保つ「作業記憶」の向上をもたらす効果があることをfMRI(機能的磁気共鳴画像診断装置)によって確認したことを明らかにした。かむ行為が記憶をはじめとした脳の活性化にポジティブな影響を及ぼすことは以前から語られているが、科学的な装置によって数字化された上で確認されたのは今回がはじめてという(発表リリース)。

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ものをかむという行為「チューイング」が認知や注意を増強させることは知られてるが、その増強が「記憶」「注意」のいずれかなのか、そして記憶にしても一時的で学習や認知情報を保持する「作業記憶」・物の形や言葉などを短時間記憶する「即時記憶」のいずれかなのかは明らかにされておらず、論議されている状態だった。

ガムイメージ今研究チームでは、脳の血流量などの変化を画像で確認できるfMRIを使った上で、33人のボランティアに無味・無臭のガムベースをかんでもらい、記憶力テストを実施。すると、「かむ」行為が脳活動の活性化をうながし、作業記憶の処理が促進される可能性があることが明らかになった。

今回の研究で「かむ行為」がモノを覚えようとする時の人の脳活動にポジティブな影響を与えていることが確認できたとし、研究チームでは今後実験を重ねる予定だという。そしてその研究の中で、作業記憶のうち具体的にどの要素に影響があるのかを調べると共に、「かみあわせ」の正しさと脳機能との関連や影響についても調べていくとしている。

要は今回の実験で「もの(実験ではガム)をかんだ直後は、情報処理的な記憶力が高まる」可能性が示されたということ。試験勉強をする際にガムをかむと効率がアップするという話はよく耳にするが、それがまた一つ、fMRIで裏付けられたことになる。

かむ行為は色々な面で体にプラスの効用をもたらす。一方で、最近の食品は柔らかいものが多く、かむ機会が少なくなったというのはよく耳にする話。「お米はお百姓さんに感謝する意味もこめて一口で88回かみなさい」とする話はよく聞くが、そこまでいかなくとももう少し「かむ」行為を見直してみたいものだ。体への吸収がよくなるだけでなく、頭もよくなるのかもしれないのだから。

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