4部門すべてが買い超しの状態で下げ続けるのも妙な話だが…東京株式市場での外国人投資家の売買動向、六週連続買い超しに
2008年05月16日 06:30
東京証券取引所は5月15日、2008年5月7日から5月9日(5月第2週)における株券の投資部門別売買状況を発表した。それによると先週外国人投資家が株を売った総額は3兆2939億9005万0000円なのに対し、買い総額は3兆3333億3318万0000円となり、差し引き393億4313万0000円の買い超しとなった。先週に引き続き買い超しとなったが、営業日数の少なさもあり、買い超し額は少なめとなった。なお個人・証券会社は先週の売り超しから買い超しに転じ、法人も買い超し状態が継続しており、4部門すべてが買い超しとなった(【最新発表リリース、PDF】)。
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5月7日から5月9日における各部門別の売買動向は次の通り。
・法人……5530億9318万7000円/5870億6584万5000円(339億7265万8000円買超)
・個人……1兆1063億9700万4000円/1兆2729億7674万4000円(1665億7974万0000円買超)
・外国人……3兆2939億9005万0000円/3兆3333億3318万0000円(393億4313万0000円買超)
・証券会社……933億9972万3000円/1000億5586万3000円(66億5614万0000円買超)
(それぞれ売り/買い(差し引き))
また、この10週間における外国人投資家の動向は次の通り。
3月3日~7日……2698億4163万6000円売超
3月10日~14日……9117億3174万1000円売超
3月17日~21日……680億4431万9000円売超
3月24日~28日……127億0251万2000円売超
3月31日~4月4日……3672億7033万9000円買超
4月7日~11日……75億5509万5000円買超
4月14日~18日……1964億7886万2000円買超
4月21日~25日……2064億0542万4000円買超
4月28日~5月2日……3832億7779万8000円買超
5月7日~5月9日……393億4313万0000円買超
今回計測週はゴールデンウィークの後半ということもあり、営業日が正味三日間と通常の6割稼働。その分売買代金も少なめとなってしまったが、日経平均は三日とも陰線をつけ大きく値を下げている。4部門すべてが買い超しの状態で下げ続けるのも妙な話だが、日経225以外の東証一部銘柄でも買いあさっているのだろうか。
次回発表週は少なくとも木曜までは堅調に推移し、3月中旬の1万2000円台が底値だったようにも見える。アメリカのサブプライムローン問題に端を発した金融信用不信問題も根本的な部分は解決していないまま。去年の夏以降相次いでネガティブな材料が出続けたことから、「狼が来たぞ」状態になっている、という解釈の仕方もある。一方で5月以降はアメリカの戻し減税効果か出始めることもあり、マインド的には「そろりそろりと前に進む」という感もある。
4部門すべてが買い超しに回った事を素直に喜ぶべきか、あるいは外国人投資家の買い超し額が減少しているところを見ると次週は売り超しに転じ「お先に失礼♪」ということになるのか、気になるところだ。
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