手ぶりでおもちゃが動く「ジェスチャー認識」動作認識ソフト、商品化にめど
2008年05月08日 08:00
【日本システムソフトウェア(9739)】は5月7日、慶応大学と共同で、人の手の動きやサイン(ジェスチャー)などを認識し、おもちゃや電化製品などの機器を動作させる「ジェスチャー認識」を開発、商品化へのめどがたったことを明らかにした。マイコン(ICチップ)にソフトを実装したEmbedded版(機能単位のパーツ)の提供を実現できたため、さまざまな製品に使える可能性が見えてきたという(【発表リリース】)。
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ジェスチャー認識のしくみ
リリースによると同社などではパソコンだけでなくEmbedded版の提供を実現することで、さまざまな対象(たとえばおもちゃ)へジェスチャー認識機能を導入することが可能になったという。いわば「ジェスチャー認識のブログパーツを、ブログというおもちゃに埋め込んでその機能を活用する」というもの。また市販のUSBカメラなどで認識対象を登録するインターフェイスを導入したため、動作のアクションを自由に変更できるようになった。
「ジェスチャー認識」の特徴は次の通り。
(1)非接触型インターフェース
・特定の入力デバイスに触れる必要がなく、様々な種類の操作を認識できる。
(2)任意の認識操作登録
・カメラからの入力を基に自動でパターンを作成するため、特殊な手作業による調節は不要。
(3)リアルタイム処理
・認識処理を常時行うため、開始・終了を指定する必要がない。
・認識処理はカメラフレーム内で完了している。
(Embedded版 160*120 15fps、PC版 640*480 12fpsを使用)
(4詳細な差異検出・位置検出
・カラー画像や複雑な形状の認識ができるため、物体の区別や判別が可能。
・高解像度で認識することにより、詳細な位置を検出。
(5)操作者以外のノイズに強い
・操作と関係のない人や物が背景で動いても影響されにくく、操作していない時に認識による誤動作がない。
(6)機能拡張性・汎用性
・画像処理部分はC言語標準ライブラリのみで構成しているため、プラットフォームに依存しない。特定のカメラに依存せず、映像ストリーム、静止画でも認識が可能。
ジェスチャーなどの動きをカメラでとらえ、その動きに従って対象が変化したり操作できるものといえば、ゲーム機ではソニーの【EyeToy:Play】が記憶に新しい。「映像処理でなくとも動体の感知のチェックも含める」と範囲を広げれば、昨今では任天堂のWiiもセンサーバーを用いている。
今回発表された「ジェスチャー認識」では映像処理が行われていること、さらにパソコンなどの特定機器に限定せず、「認識ユニット」として独立したものを提供することで色々な素材に応用が利く点が注目に値する。事例として挙げられたおもちゃ分野(特に乳幼児から低学年向けに色々なニーズが考えられる)以外に、福祉分野や公共機関への応用なども考えられるだろう。
今後このシステムを用いて具体的にどのような商品が世に送り出されるのか、作り手側のアイディアにも期待したいところだ。
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