エースコインの調達に成功せり
2008年05月05日 12:00
「Garbage Shot」第九十回。今回は当方にとって今や欠かせない食材となった【自家製「がり」】の材料を買うために100円ショップに足を運んだ際に見つけた、ちょっと気になるビスケット、『エースコイン』。税込み105円のシロモノ。
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エースコイン
150×200ミリほどの大きさの袋には、天保通宝や寛永通宝など、有名どころの古銭のイラストが散りばめれられ、中央部分の(これも古銭型)透明な部分からは山盛りの古銭型ビスケットが見えている。
元々切手やコイン(特に古銭)、鉄道模型をはじめとする各種模型など「細々したもの」が好きな当方にとって、これが魅力的なものに見えないはずがない。早速購入し、吟味してみることにした次第。
封を開けたとたん、ミルクビスケットの甘い香りが袋から飛び出し、鼻腔をくすぐってくる。ざらざらと音を立てながら皿に転がる古銭、もといビスケットたち。
「エースコイン」を袋から取り出してみる
収められている古銭ビスケットの種類は全部で20種。袋の裏面にその一覧が掲載されている。
パッケージ裏には古銭の一覧が
古銭は日本のものばかりを集めたもので、古くは「現在」最古の日本古銭とされている「富本」にはじまり、以前までもっとも古い国内通貨といわれていた「和同開弥」、銭形平次が投げた設定で有名になった「寛永通宝」、同時期に流通していた寛永通宝を数枚鋳溶かして100枚分の価値のものができることから偽造が相次いだ事例で名高い(?)「天保通宝」。さらには大判と小判の中間にあたる「天保五両判金」。近代に入っても「新二十円金貨」や「桐一銭銅貨」「十銭アルミニウム青銅貨」など、メジャーなものからマイナーなものまで実に多種多様。
これで一袋分(165グラム)
近代古銭3種類「新二十円金貨」「桐一銭銅貨」「十銭アルミニウム青銅貨」
特異な形3種類「天保通宝」「天保五両判金」「仙台通宝」
大きさ比較のため、「和同開弥」と500円玉を並べてみる
それぞれの大きさだがさすがにすべてを原寸通りとはいかないようで、丸型のものは直径30ミリ・厚さ5ミリ、天保通宝や天宝五両判金などの「小判型」は長い部分が40ミリ・短い部分が25ミリ・厚さ6ミリほど。後者は「小型の小判」というちょっと間抜けなサイズになるが、通常の円型古銭は「ほぼ実寸」に近いサイズとなり、雰囲気を出している。
味はごく普通のミルク風味のビスケット。甘みがあるのでお茶受けにも良い。紅茶と一緒につまむのなら砂糖は要らないだろう。さくさくとした歯ごたえが心地よく、間食にはぴったり。
公式サイトによるとすでに1955年には発売されていて、最近リニューアルを果たしたとのこと。かつて発売されていたことなど知らなかっただけに、やや口惜しい気もする。
今回「エースコイン」が目に留まったのは(冒頭でも触れたように)当方の趣味趣向も一因。しかしそれと共に、「同じ材料や味わいで、いかにお客を楽しませようか」という工夫の一端を垣間見る事ができ、それが嬉しくなったから。
コイン型への肩抜きはそれぞれの種類別に行わねばならないから、単に円型のビスケットを作るよりは相当手間がかかるだろう。それでも原材料そのものは替えることなく、商品の魅力をアップし、買い手が楽しめる「仕組み」は非常に面白い。単なるビスケットと並べられたら、間違いなくこちらを選ぶだろう。
今後、例えば世界の現行通貨集や、日本以外の有名どころの古銭などで同様のシリーズが出ればさらに面白さが広がり、奥深いものとなる。そう思ったのは当方だけではないに違いない。
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(最終更新:2013/08/06)
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