投資指数は横ばい…野村證券(8604)、2008年4月計測分の個人投資家動向を発表

2008年05月08日 12:00

株式イメージ【野村證券(8604)】の金融経済研究所は5月7日、個人投資家の投資動向に関するアンケート調査とその結果の分析報告レポートを発表した(【ノムラ個人投資家サーベイ・2008年5月発表分、PDF】)。投資家の投資意欲や今後の市場動向に対する意向が弱気であることに違いはないが、弱気度の増え方が留まるなど「心理面での横ばい」が雰囲気的に見て取れる結果となっている。

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今調査は1000件を対象に4月23日から24日に行われたもので、男女比は69.0対31.0。年齢層は40歳代がもっとも多く31.5%、ついで30歳代が25.5%、50歳代が21.1%など。金融資産額は1000万円~3000万円がもっとも多く24.2%、200万円未満が20.8%と続いている。1銘柄あたりの保有期間は2年から5年未満がもっとも多く29.1%を占めている。次いで1年から2年未満が21.1%、5年以上が17.8%。投資に対し重要視する点は、安定した利益成長がもっとも多く49.2%と約半分を占めている。ついで配当や株主優待が26.4%となっており、テクニカルや値動き、高い利益成長といった項目より安定感を求めているのはこれまでと変わりなし。

詳細はレポートを直にみてほしいが、概要的には

・投資指数は横ばい。現状への弱気感に変わりは無いが、弱気な見方そのものはやや減少。3か月後の見通しも横ばい派が多数。
・株式取引を減らす動きに歯止めがかかる。
・「市場への影響が考えられる要因」ではすべての項目でマイナス回答が減少。
・魅力的な業種は5か月連続で「医薬品・ヘルスケア」がトップで過去最高。一方で「建設、不動産」の不人気度も過去最高。
・株主総会における議決権行使率は38.9%。意向未定も約1/3。


という形に。4月は一時安値転換をこなしながらもじわじわと上昇を続け、直近では3月中旬を底値とする展開が続いている。少しずつ市場環境が改善されてきた雰囲気はあれど、昨年9月以降の金融不信や市場にあふれるさまざまなニュースを耳にして疑心暗鬼におちいっている感が強く、日経平均が恐る恐る上昇を続けているようすがわかる。

気になる「保有したい、注目していきたい銘柄」だが、上位5銘柄の多くは変わりがない。資源高で厳しい状況が伝えられる【東京電力(9501)】がやや順位を落し、セクター単位でも人気が高い医薬品から[武田薬品工業(4502)]がランクインしている。元々ディフェンシブ系の銘柄として名を知られていることに加え、配当利回りでも注目を集めていることが人気の要因だろうか。

1位……[トヨタ自動車(7203)]
2位……【ソニー(6758)】
3位……[任天堂(7974)]
4位……【キヤノン(7751)】
5位……[武田薬品工業(4502)]


上位を占める銘柄はそれだけ注目を集めていることに他ならない。つまりそれだけ今後も活発に売買が行われる可能性が高い。トップの[トヨタ自動車(7203)]はもはや鉄板順位で間違いないく、第二位以降に3倍以上の得票差をつけているが、ソニーが高ポジションを維持し続けているのも昨今の傾向の一つ。技術力の高さと世界ブランドとしてのソニーが再評価されているということだろうか。

今回のデータにあるように、四月には三月のネガティブなイメージを多少払しょくしてくれるような上げ方を見せた株価動向だが、不安定要素はまだ多数残っており、市場関係者も手探り状態で売り買いを続けている状態。逆にいえば何らかのトリガーが引かれることで、市場が大きく動く(上にも下にも)可能性がある。前後左右に大きくアンテナを広げ、的確な状況判断が出来るような姿勢で市場に臨みつつ、次回の発表を待ち望みたいところだ。

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