ドコモ、6月から公式サイトの表示順位を入札で販売へ

2008年05月13日 06:30

モバイルイメージ【ケータイWatch】などが伝えるところによると【NTTドコモ(9437)】は6月23日から、公式サイトメニューの「iMenu」の一部を「広告として提供する」ことが明らかになった。コンテンツを提供する各企業は競争入札形式で「自分のサイトの表示場所を購入」することになる。リストの上位に表示される方がユーザーを多く集めうるため、激しい競争が予想される。今件についてNTTドコモから正式なリリースは発せられていない。

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各携帯電話事業者が提供している公式のコンテンツ提供サイト(「公式サイト」)では、メニューに掲載される順番でアクセス数が大きく異なってくる。検索エンジンの検索結果で上位表示されるほど多くの人が集まるのと同じ理由。一説には「順位が一つ上に昇るとアクセス数が2~3倍は違ってくる」という話もある。それだけに各企業は順位アップに躍起となる。

この順位は「登録人数」「クリック数」など事業者毎に基準が異なるが、ドコモの場合は基本的に利用者の多い順(=人気のあるサイト順)に掲載されている。状況によっては「人気が出る」「上位に表示される」「アクセスが集まる」「さらに人気が出る」の好循環が繰り返されることになる(逆にいえば新参コンテンツが上位に割り込むチャンスが少なくなる)。

今回のドコモの決定はこの順位の一部を「販売」しようというもの。これもまた検索エンジンにおけるリスティング広告(検索キーワードと共に表示される関連性の高い広告)が、検索結果そのものより上位に表示されるのと同じ仕組み。元記事によればFOMAで表示されるメニューリストのうち「働く/住む/学ぶ」「着うたフル」「着うた/着モーション」「着信メロディ/カラオケ」「メロディコール」「待受画面/フレーム」「ゲーム」「占い/診断」「コミック/書籍」「デコメール」と人気の高いジャンルの中カテゴリが「広告」扱いとなり、競争入札形式で販売される。例えば「ゲーム」の中カテゴリは「ゲームパック」「ミニゲーム」などに分類されて各項目で人気サイトが3~4つ表示されるが、この表示サイトの「場所」が広告として販売される仕組み。

順位で大きく変わるアクセス数。
順位そのものに大きな「価値」が。
ならばその「価値」も商品にしてしまえ。
(ドコモ側の真の意向!?)

ドコモ側では今回中カテゴリを「広告」として販売する理由に「過去1年において広告スペース化する10ジャンルの中カテゴリの順位に変動がない」ことを挙げている。要は上記に例示した好循環で上位陣が固定され、新規参入コンテンツが割り込む余地が無くなり、活力が見られなくなったというもの。競争入札方式を用いれば、活力が生み出されると説明している。

順位固定スパイラルによるマンネリ化の打破というドコモ側の説明は一理ある。しかし単にマンネリズムから抜け出すだけなら、例えば定期的・アクセスごとにメニューリストをランダム表示すればよいだけの話。それを「場所」に価値を見出させて販売するあたり、(検索エンジンなどと同じように)新たな収入源の確保と見た方が合点がいく。

一方、これまでの「上位が順位になれば好循環の輪の中に入れる」とばかりに派手な広告を短期間に打ったり、出来るだけライバルの少ないジャンルで登録申請をするといったこれまでの戦略が使えなくなるコンテンツ提供企業側に、動揺が走っていることは間違いない。今後は「ドコモのコンテンツで成功を収めるには、あらかじめ予算として、場所を確保する広告費を計上しなければならない」という新しい仕組みが生まれそうだ。

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