小学5年生に人気があるのは「ちゃお」と「コロコロ」、中学2年生は圧倒的に「ジャンプ」
2008年05月19日 19:35
日本PTA全国協議会が5月15日に発表した【子どもとメディアに関する意識調査】によると、小学校5年生がもっとも好んでいる雑誌は「ちゃお」、ついで「コロコロコミックス」であることが明らかになった。男女合わせての集計なので、前者が女子、後者が男子のベストワン雑誌と思われる。一方中学校2年生では圧倒的に「週刊少年ジャンプ」がトップとなった。
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今調査は2007年11月12日から26日までの間、調査票を配布し記述してもらった上で回収する方式で行われたもので、有効回答数は小学5年生が1753人、中学2年生が1942人、保護者はそれぞれ1700人・1777人。男女比は子供が49.5対49.6(無回答0.9)。保護者は母親87.7%、父親10.0%(その他、無回答あり)。年齢は30代が32.0%、40代が59.9%。共働きか否かでは共働きが58.0%、共働き以外が29.8%(その他、無回答あり)。
今項目では「普段少年・少女マンガや少年・少女コミック」を読んでいる人に回答してもらったもので、一番好きな雑誌名を具体的に書いてもらう方式となっている(選択式ではない)。
一番好きな雑誌名
小学生(1065人)では「ちゃお」がトップの22.7%、ついで「コロコロコミックス」が21.3%という結果となった。男女あわせての集計結果なので、冒頭でもコメントしたように「男子はコロコロコミック、女子はちゃお」というのが正解だろう。自由回答による集計であることを考えると、今結果に列挙された雑誌がいかに子どもたちの間に強い支持を得ているか、特にトップに立った「ちゃお」と「コロコロコミックス」が圧倒的に好かれているかが分かる。
両紙に共通して言えるのは、「豊富で強固な連載陣」「多メディア展開」「時節を追及したコンテンツの提供」などの点。中には「小学生向けとしては少々早いのでは?」的な内容も、まるでNHKの「週刊こどもニュース」のように分かりやすく解説しているところが興味深い。好奇心旺盛な世代にとって、よい形での情報の提供を行うことで、子どもにも親にも支持される結果となっているのだろう。
一方、中学校2年生では「ちゃお」も「コロコロコミック」もその姿を潜め、圧倒的に「少年ジャンプ」と「ジャンプ」がトップについている。資料に言及はないのだが、回答が「自由記名回答方式」であること、世間一般的に「ジャンプ」=「週刊少年ジャンプ」であることを考えると、両項目は同じものを指していると考えてよいだろう(資料に掲載されている「購入先」で、両項目だけが「コンビニでの購入」が突出しているのも裏付けのひとつ)。そう考えれば実に中学校2年生の4割が「週刊少年ジャンプ」を愛読していることが分かる。週刊少年誌といえば他に「サンデー」「マガジン」などが頭に思い浮かばれるが、これらはもう少し高い年齢層を対象にしているのだろう。
ちなみにこれら「好きな雑誌」に対し、親が見たらしかめっ面をするような「ネガティブな場面」があるかどうかをたずねているが、ほとんどの項目において該当すると答えた人は5%未満でしかなく、「無回答(=特に問題はない)」と答えた人が過半数に達していた。少なくとも読み手の子ども自身からは、好きなマンガの描写で問題があるから(けれども好奇心から)読む、という心境ではなさそうだ。
好きな雑誌に当てはまるかどうか(複数回答)
ひとつ突出しているデータとしては「りぼんなかよし」で「いじめたりおどしたりするシーンが多く描かれている」と答えた人が23.6%に登っていたこと。当方は「りぼんなかよし」に目を通した経験がないのでよく分からないが、子ども同士のライバル間の争いや、いじめられっこが苦境から立ち直るようなストーリーが多いのだろうか。
少子化が進み市場そのもののパイが小さくなる中、携帯電話や携帯ゲーム機などの「手軽で持ち運びできる新しいメディア」が続々登場し普及することで、マンガ・コミック誌の存在価値は相対的に低下する傾向にあることから、これらマンガ・コミック誌の経営は厳しい状態におかれている。各冊子は個性を際立たせ、あるいはアイディアを盛り込み、何とかこの荒波を乗り切ろうとしている。
今回リストアップされた各誌は、それぞれがいわば「勝ち組」というポジションにあるのだろう。何しろ選択式ではなく自由筆記でその名前を書かれたのだから、それだけ知名度が高い証拠でもある。今後ともその優位性に甘んじることなく、世間に耳を傾けながら業界を支えてほしいものだ。
※掲示板のご指摘で「りぼん」を「なかよし」に訂正しました。
(最終更新:2013/09/07)
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