喫煙者は四人にひとり。でも30代男性に限ると過半数も
2008年05月05日 12:00
厚生労働省は4月30日、「平成18年 国民健康・栄養調査結果の概要について」を発表した。それによると2006年時点で20歳以上の人においてたばこを吸っている人の割合は、全体で約四人にひとりの割合であることが明らかになった。2003年時点の27.7%から少しずつ喫煙率は低下している傾向にある。一方、30代男性に限定すると喫煙率は過半数の割合であることも判明している(【発表リリース】)。
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今調査は2005年11月に調査票配布・回収方式や問診方式で行ったもので、栄養摂取状況調査は9423人など。
喫煙率の年次推移
1年単位の変化では誤差の範囲のように見えるが、数年間のベースで比較してみると、確かに男女とも少しずつ喫煙率が減少しているように見える。特に男性において2003年から2006年までの間に、7%近くの減少が計測されているのは特筆すべきことだろう。元々喫煙率が高かったということもあるが、禁煙キャンペーンが相次いで行われ、禁煙のためのサポートアイテムや環境も整ってきたことも幸いしているのかもしれない。
男女別・年齢階層別に見ると、男性の中でも特に中堅層以上で禁煙が進んでいる傾向が浮き彫りになる。
男女・年齢階層別喫煙状況
禁煙した人が多数
↓
加齢で健康意識が高まった?
元々女性よりは男性、男性の中でも30代以上はおしなべて喫煙率が高かったものの、40代以降になると急速に「過去習慣的に喫煙していた人」(=今は喫煙していない≒禁煙した人)が増えているのが分かる。特に60代以降はその割合が増え、70歳以上になると「過去喫煙派(現在禁煙派)」が「現在喫煙派」を上回っている。これは歳の経過と共に健康に気を使うようになり、喫煙意識が高まったがための結果と思われる。
一方で喫煙率のみを見てみると、20代よりも30代の方が値が高い事も分かる。元々喫煙が「たばこそのものが美味しい」という直接的効果よりは「喫煙でストレス解消、精神安定」などの副次的効果を求められての行動が多く、その効果が必要とされる「ストレス状態」が20代より30代の方がひんぱつしているからだと思われる。また周囲の喫煙派の様子を見て、つい「自分も」というのもあるのだろう。
最新計測データは2006年のものだが、現状においては「禁煙プログラムの財政的サポート(禁煙関連薬品の保険対象拡大)」や「特定健診の実施(健康意識の高まり)」「たばこの値上げ(喫煙者の財務的圧迫要因)」など、さらに喫煙者を禁煙にいざなう社会的機運が高まっている。
喫煙率の年次推移データが4年分しかないので傾向がつかみにくいが、環境の変化などもあわせて考えると恐らくは今後も喫煙率は低下していくのだろう。それと共に「なぜ30代男性で喫煙率が一番高くなるのか」という社会的環境における問題についても考察し、その上で禁煙を推し進めるべき時が来ているのかもしれない。
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