チーズ25%、即席めん10%……価格上昇率を農林水産省が公表
2008年05月03日 12:00
農林水産省は5月2日、農産物を原料とする主要加工食品の小売価格調査の結果などを発表する専用コーナーを新設し、データの公開を開始した。それによると調査対象となった15品目における4月第4週の価格は、1月時の価格に比べると12品目が上昇していることが明らかになった。特に国産チーズやマーガリン、即席めんなどの値上がりがいちじるしい。原材料の価格高騰以外に、原油高で輸送費がふくらんだことも影響しているようだ(【発表リリース】)。
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今回から情報公開が始まったのは、国際的な原油価格や農産物の価格高騰などにより高騰を続けている加工食品について。短期的な天候などに左右されやすく、変動幅の大きい生鮮食品は対象外となっている。リリースによればこれら加工食品の価格は去年夏頃までは横ばいで推移していたものの、秋以降上昇する傾向を見せている。
日本における生鮮食品をのぞく食品の消費者物価指数の推移
これは日本だけでなく世界的な現象で、国際的な資源高がもたらしていることが分かる。データ的には日本はむしろ落ち着いている方といえる。
主要先進国の食料消費者物価指数の推移
上記データには主要先進国のデータしかないが、例えばロシアや中東、インドでも急激な物価高で市民生活が圧迫されているという報道は相次いで行われており、国を問わず食品のインフレが起きているのが分かる(例:【ロイター:4月19日時点のインド卸売物価指数は前年比+7.57%、前週の+7.33%から加速】)。
さて主要加工食品15品目の価格についてだが、以下のようになっている。
調査対象15品目における通常店頭価格の全国単純平均値の動き
今回はデータが単体のため表組みのみだが、今後継続的に調査が行われるならば折れ線グラフ化される可能性もある。値上げの度合いが大きいものに赤丸を追加させてもらったが、即席めん、チーズ、マーガリン、みそなど特に穀物を原材料とする加工品において、大きく値がつりあがっているのが分かる。とりわけ商品不足で価格が上昇し学校給食などでも使えないところが増えているとされるチーズやマーガリンなど、身近な食品の筆頭に挙げられる即席めんなどの値上げがいちじるしい。
今回公開されたページでは、他にも主要穀物の国際価格の推移など、昨今の資源高に対するさまざまなデータが盛り込まれている。非常に興味深い内容となっているので、時間のある人はぜひ一度すべてのデータを見てもらいたいところだ。そして今後も便乗値上げに気をつけながら、食品価格を注意深く見守る必要があるだろう。
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