電車内での携帯電話の利用「別にいいじゃん」は20代で2割強
2008年05月01日 08:00
ネットマーケティングを展開するアイシェアは4月30日、携帯電話に関するマナーなどに対する調査結果を発表した。それによると公共機関などにおける携帯電話のマナーについて、20代は他の世代と比べて「大げさすぎる」と感じている人の割合が2倍近いことが明らかになった。幼い頃から携帯電話に慣れ親しんでいる若年層にとっては、携帯電話の存在は当たり前で自然になじんでおり、社会全体の取り決めを苦々しく思っているのかもしれない(【発表ページ】)。
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今調査は無料メール転送サービスCLUB BBQの会員を対象に行ったもので、有効回答数は760人。男女比は56.6対43.4、年齢階層比は20代が27.8%、30代が35.4%、40代が36.8%。調査期日は非公開。
今調査では携帯電話のマナーについていくつかの設問を行い、その回答が公開されているが、その中でも気になるのが「公共交通機関などで行われている、携帯電話の利用制限をはじめとした『携帯電話のマナー』についてどう思うか」というもの。
公共交通機関などで行われている、携帯電話の利用制限をはじめとした『携帯電話のマナー』についてどう思うか
鉄道や地下鉄など公共交通機関では、「優先席付近では電源を切る」「それ以外ではマナーモードにして通話はひかえる」というのがマナーとして求められている。窓ガラスにはその旨を記したシールが貼られ、車内放送でも繰り返しお願いをされているので、知らない人はいないはずだ。
二者択一式で回答してもらったところ、全体では8割強が「マナーなのだから守って当たり前」と答えており、浸透率の高さを裏付ける結果が出ている。一方年齢階層別に見ると、30・40代は9割近くが「当たり前」と答えているのに対し、20代に限ると「当たり前」は8割に満たず、2割強は「ちょっと大げさすぎると感じている」と回答している。
冒頭で示したように、今の20代は幼いときから携帯電話に慣れ親しんでいる人が多い。生活の中に、それこそ電話やテレビと同じような感覚で浸透している携帯電話なのにもかかわらず、「電車や地下鉄で使っちゃいけないなんて……」と愚痴をこぼしたくなる気持ちも分からないではない。
・ペースメーカー利用者などへの配慮
・第三者がもれ聞く「電話の会話」の
違和感や不快感への考慮
公共交通機関で携帯電話の使用をひかえるよう、うながされるのにはいくつか理由がある。優先席はよく言われている「ペースメーカーなどの誤作動」が主な理由。現行機では対策が取られており直接の心配はほとんど無くなったと見てよいが、「リスクがあるかも」という不安を該当者(ペースメーカー利用者)に与え、その不安自身が大きなプレッシャーとなる。「相手のことを考える」というマナーの大原則に従えば、納得がいくはず。
一方「電車内では会話をひかえるように」は、周囲に与える不快感が原因。普通の「人同士の会話」でも電車内で行われると、「耳障り」と感じる人がいるだろう。それ以上に携帯電話の場合には「そこにいる本人の言葉のみが聞こえ、相手の声が聞こえてこない」。そのため「会話が成立しておらず『ひとりごとを話している』ように思えてしまう」ので、一層の違和感と不快感を感じてしまうのだ。
繰り返しになるが日常生活に溶け込んだ携帯電話をフルタイムで利用したい、それこそ呼吸するかのごとく使いたいという心境は分からないでもない。とはいえ「マナー」の言葉の意味、そして「自分が相手の立場ならどのように感じるだろうか」を考え直してみるべきだろう。
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