【更新】北京五輪特需は見込み薄・テレビ購入14%、次世代DVDは10%
2008年05月10日 12:00
C-NEWSは5月9日、8月に開催予定の中国・北京オリンピックに関する調査結果の一部を発表した。それによるとオリンピックそのものへの関心を寄せる人は過半数を超えていたものの、一部業界が期待する「オリンピック特需」には結びつきそうにもないという調査結果が出たことが明らかになった。景気停滞を打破するトリガーとして期待されるオリンピックだが、実情は予想以上に厳しそうだ([発表リリース])。
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今調査は5月1日と2日にネット経由で行われ、有効回答数は1000人。男女比は1対1。年齢階層比は20・30・40・50代と60歳以上で均等割り当て。
北京オリンピックについてはこれまでの開催地と違いさまざまな面で「賛否両論」が繰り広げられ、物議をかもしている。その内容については別の場に譲ることにするが、そのような事情がオリンピックへの盛り上がりについて、これまでとは異なる様相を見せている。
北京オリンピックそのものへの関心度についてたずねたところ、「とても」と「やや」を合わせた関心派は56%と過半数を超える結果が出ている。
北京オリンピックへの関心度
過去のオリンピックにおける調査データが無いので比較のしようがないが、関心派が5割強というのは微妙な数字に思えてならない。開催まであと3か月となった時点で14%が「どちらともいえない」と回答しているのも気になる数字。仮に半数ずつが両派に分かれたと仮定すれば、「関心アリ6割」「関心ナシ4割」という結果に落ち着くことになる。自身が競技に参加しないということだとしても、「盛り上がりに欠けるのでは?」という表現を使わざるを得ない。
さらに気になるのは、オリンピックを景気として盛り上がるであろうと予測されていた各方面での消費行動。【「2011年直前にテレビ買い替え予定」は4割強・地デジ完全切り替えに向けて】にもあるように業界側ではオリンピック特需に期待する面が強いが、今調査結果を見る限りその期待は「空振り三進」におわりそうだ。
オリンピック観戦のためにテレビや次世代DVDを購入したいか
地デジの切り替えタイミングにも近いこともあり、「この際テレビやレコーダーを買い換えるか」という消費行動に結びつくものと思われいたオリンピック。業界側でも大キャンペーンを展開し懸命に売り込みを続けている。しかし結果を見る限り、すでに購入した人は(3か月前にもかかわらず)テレビで8%、DVDで2%に過ぎない。これから購入したいという購入予備群を合わせても1割前後。むしろ「購入するつもりはない」という明確な否定派が8割を超えているのが、意志の強さを感じさせる。
詳細は公開されていないが、オリンピック特需が「かなわぬ夢」であることは他の項目にも出ている。例えば「旅行したい」は前回調査の12%から5%に半減しているという。
・景気急速悪化
↓
オリンピック特需そのものを
縮小傾向に
冷え込み気味な消費行動を後押しして内需拡大の支えになる可能性のあった北京オリンピック。しかし実情には開催国の「化けの皮の内側」が露呈することで、盛り上がっていた雰囲気に冷や水をかけられた形になったようだ。さらにそれとの相乗効果的な点として、景気そのものの冷え込みが想定以上にキツく、「オリンピックだからといってテレビやDVDなど余計なものを買ったり旅行に行く余裕は無い」という現実を叩きつけられたこともあると思われる。
過去の事例にもあるように、よほどうまく手を打たないと、オリンピックの閉会後は景気が落ち込むことになる。むしろそちらの方面で「オリンピック効果」が生じないよう、今は願うばかりだ。
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