テレビを一人で見る中学生は10人中2人
2008年05月19日 12:00
日本PTA全国協議会が5月15日に発表した【子どもとメディアに関する意識調査】によると、小学5年生に比べて中学2年生の方が、テレビを一人で見る割合が約2倍に増えていることが明らかになった。また、テレビを見る時間そのものは平日では1時間~3時間、休日では2時間~4時間の時間帯と答える子供が多く見受けられる。さらにテレビそのものは小学生よりも中学生の方が長時間見る傾向があることから、年を経るにつれて夜更かしができるようになり、テレビの視聴時間が伸びるようすがうかがえる。
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今調査は2007年11月12日から26日までの間、調査票を配布し記述してもらった上で回収する方式で行われたもので、有効回答数は小学5年生が1753人、中学2年生が1942人、保護者はそれぞれ1700人・1777人。男女比は子供が49.5対49.6(無回答0.9)。保護者は母親87.7%、父親10.0%(その他、無回答あり)。年齢は30代が32.0%、40代が59.9%。共働きか否かでは共働きが58.0%、共働き以外が29.8%(その他、無回答あり)。
誰とテレビを見るかについては、小中学生双方とも「家族と一緒に」がもっとも多い回答を示している。しかし中学生では小学生より2倍の2割ほどが「一人で見る」と回答し、「家族と一緒に」がほぼ同数減っている。
テレビを誰と見るか(一択式)
中学生になるとひとりで見る人が増えるのは、子供自身の独立性が進行し「家族と一緒に見るのはちょっと気恥ずかしい」「家族に知られると恥ずかしい内容の番組を見たい」という思いがあるのと、自分の部屋を持つようになりそこでテレビを見る機会が増えるからかもしれない(実際見る場所の質問でも、「子供部屋」と答えた小学生は6.2%に過ぎないが中学生は13.6%とほぼ倍増。「一人で見る」の上昇率とほぼ一致する)。
かつてはテレビが個室にあることなどめったに無かったが、今ではテレビの価格が安くなったのはもちろん、パソコンや携帯電話のワンセグ放送で、それこそ「一人で複数テレビを持つ」ことも不可能ではなくなった。テレビ放送のメディアとしての存在感は別として、テレビそのものが身近な存在になったことは確かだろう。
一方、テレビを見る時間は、小学生より中学生の方が短い傾向にあるが、もっとも多い回答を得た時間帯では、両者とも「平日は1~3時間」「休日は2~4時間」となっている。
一日あたりのテレビを見る時間(平日)
一日あたりのテレビを見る時間(休日)
最多回答数項目でみると、平日は小学生が1~2時間であるのに対し中学生は2~3時間。休日も小学生が2~3時間で中学生は3~4時間と、それぞれ1時間分(1項目分)長時間の側に中学生の方がずれているのがわかる。全般的に小学生よりも中学生の方が長時間テレビを見ているものと思われる。
これは「テレビを誰と見るか」の項目同様に、中学生の方が一人で見る機会が増えて気兼ねせずにテレビ番組をチェックできることの他に、夜更かしができるようになったこと、さらには興味関心を持つ番組が増えてきたからではないかと推測できる。
【10代は動画投稿サイトが大好き!! 年齢階層別に見た「従来四大メディア」と新情報メディアのせめぎ合い】にもあるように10代においても動画共有サービスや個人ブログなどインターネット系のコミュニティへの興味関心は非常に高いが、「利用度」においてはテレビがもっとも上位に来ている。テレビの視聴時間が平日でも毎日2~3時間に及ぶのも当然といえよう。
ただし今後携帯電話がさらに普及した場合、これまでと同じように毎日同じ時間をテレビ番組に割くかどうかは少々疑問が残る。テレビを見る理由として小中学生とも「内容が面白いから」「友達と共通の話題ができるから」が上位を占めている。これらは今後携帯電話の普及や技術の進歩で十分まかなえる内容でもある。「テレビだからこそ」の内容が子供たちに魅力としてうつらない限り、今後も「テレビに熱中する」この時間の長さを確保するのは難しいだろう。
(最終更新:2013/08/06)
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