松下電器、取引最小単位を100株に引き下げ・個人株主増加が狙い

2008年05月20日 06:30

株式イメージ【松下電器産業(6752)】は5月19日、株式における取引の最小単位(単元)を現行の1000株から100株に引き下げると発表した。定款の変更などの手続きを必要とするため、実施は来年の2月1日からとなる。取引最小金額を低くすることで個人株主を増加させると共に、株券の電子化に備えた動きともいえる。

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現行における松下電器の単元は1000株で、5月19日の終値は2390円だから、通常の取引には最低でも239万円が必要になる。四季報データによると松下の株主数は約15万7000人だが、浮動株比率は16.2%と低め。今回の単元変更で裁定取引額を1/10にして20万円台にまで落とすことで、多くの個人投資家が株主になることを狙ってもいるようだ(【カゴメの事例】が好例)。

また、【最近株式分割と単元株制度導入が増えているワケ】でもお伝えしているように2009年1月からは上場企業の株券が電子化される。端株の取り扱いができなくなるだけでなく、株券そのものが発行されていない場合が多い単元未満株では自動的に特別口座に移されてしまい、売買には特定の手続きが必要になる。今回のように単元を引き下げれば、1000株未満の従来「単元未満株株主」の多くも「単元株株主」となるため、売買がしやすくなるというあんばいだ。

もちろん東証の指針である「売買単位を100株に」「売買金額を極力5万円~50万円の範囲で」にそった形にするという意味合いも、今回の単元変更の狙いのひとつといえる。

今後松下電器と同じ事情で、1単元の価格が大きな銘柄の単元変更や分割が相次ぐことだろう。これまで株主になりたくとも金額が大きくて手が出せなかった憧れの銘柄にも、手が届く日がまもなくやってくるかもしれない。


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【個人株主の7割が何らかの形で議決権を行使】

(最終更新:2013/08/06)

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