大人になったらなりたいもの・トップに「野球選手」と「食べ物屋」

2008年04月29日 12:00

野球少年イメージ第一生命保険は4月28日、全国の保育園・幼稚園・小学校1~6年生を対象にした「大人になったらなりたいもの」のアンケート調査を発表した。それによると男子のトップは「野球選手」で4年連続、女子は「食べ物屋さん」が11年連続で首位に立った。また女子の「食べ物屋さん」の回答のうち「パティシエ」を選んだ子どもは前回と比べて2.7倍に増加しており、昨今のスイーツブームを反映した結果とリリースでは分析している(【発表リリース、PDF】)。

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今調査は2007年7~8月、全国の未就学児童・小学生を対象に訪問回収法で行われたもので、対象は22万点。そのうち都道府県・男女・学年別に抽出した993件を集計している。男女比は364対628。

男女別最新の「なりたいもの」ランキングは次の通り。

■男子が大人になったらなりたいもの(2007年)
1位……野球選手(11.8%)
2位……学者・博士(8.5%)
3位……サッカー選手(6.0%)
4位……お医者さん(5.5%)
5位……大工さん(5.2%)
6位……パイロット(4.1%)
7位……警察官・刑事(3.3%)
8位……食べ物屋さん、料理人(3.0%)
10位……消防士・救急隊(2.7%)

■女子が大人になったらなりたいもの(2007年)
1位……食べ物屋さん(13.9%)
2位……看護師さん(9.7%)
3位……保育園・幼稚園の先生(7.3%)
4位……学校の先生(習い事の先生)(6.5%)
5位……お医者さん(6.1%)
6位……飼育係・ペット屋さん・調教師(5.9%)
7位……花屋さん(2.9%)
8位……ピアノ・エレクトーンの先生・ピアニスト、美容師(2.5%)
10位……歌手・タレント(2.4%)


男子では「学者・博士」が前回調査(5.1%)と比べて、女子は看護師が前回調査(5.5%)から大幅に伸びている。

また「野球選手」と「サッカー選手」の変遷のように、子どもの「大人になったらなりたいもの」はその当時の社会情勢やブームを反映しやすいもの。男子の場合はサッカーブームが「落ち着きつつある」ことや、専門家のメディアへの露出増加による「学者・博士」への人気、さらには安定性が高いと思われがちな「手に職系」の職業の人気が高まっているのが分かる。これも就職難といわれている世の中の雰囲気を、子ども達も感じ取っているからなのだろうか。

男の子のデータにおける主要職業の順位変遷(2000年以降を抜粋)
男の子のデータにおける主要職業の順位変遷(2000年以降を抜粋)

一方女子では「食べ物屋さん」の人気が安定して上位を占めている。データ上では明記されていないが本文中で言及されているように、「パティシエ」の人気上昇がさらに「食べ物屋さん」の地位を不動のものとしているようだ。大好きなケーキなどのお菓子を魔法のような手さばきで作り出すパティシエたちの姿を見て、あこがれを感じるのも当然かもしれない。また、学校の先生や音楽・芸術関係の職業も人気が高い一方で、2007年では看護師の割合が大きく伸びている。看護師が活躍するテレビドラマもいくつか放送されてはいるが、そこまでイメージアップの影響力があったのかどうかは不明。

女の子のデータにおける主要職業の順位変遷(2000年以降を抜粋)
女の子のデータにおける主要職業の順位変遷(2000年以降を抜粋)

今調査はサンプル数にやや問題があるようで、数%レベルの誤差は生じる可能性を考慮した方がよいのかもしれない。とはいえ全体的な傾向は十分につかみとることができる。リリースでは1989年以降毎年の男女別「なりたいものベスト10」が掲載されているが、その年に流行した事象や世相、経済状況が手に取るように把握でき、非常に興味深い。今年の男子データに見られる「安定性の高い職への人気が高い」など現実志向が良い例だ。

今年は流行のテレビや映画の傾向が分散している一方、オリンピックなどスポーツ関係のイベントが目に付く。来年発表される2008年分データでは「野球選手」「サッカー選手」以外の「スポーツ選手」という項目が上位に見えてくるかもしれない。

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