教育・人材育成用の「相乗り衛星」常時募集へ

2008年04月29日 12:00

衛星イメージ宇宙航空研究開発機構(JAXA)は4月23日、民間や大学などが作る小型衛星に対して打ち上げ・運用機会を提供する仕組みを作り上げることで、宇宙開発利用のすそ野を広げようという目的のもと、国産の打ち上げロケット「H-II A」に相乗りする小型衛星の公募を開始した(【発表ページ】)。

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人工衛星の相乗りについては、今年夏打ち上げ予定のH-IIAロケットに搭載予定の「まいど1号(SOHLA-1)」などの事例があるものの(【発表リリース、PDF】)、非定期的な募集(2005年のみ)ということになっていた。今回の決定で「搭載能力に余裕がある場合」という前提があるが、常に小型の衛星を相乗りさせることにし、その衛星の募集を通年で行うことになった。

募集する衛星のスペックは原則50キロ以内の重さで50センチ四方以内の大きさを満たし、宇宙開発につながる研究・人材育成に役立つものなど。広報宣伝や営利活動を目的としたものは受け付けない。打ち上げそのものの費用は徴収されないが、開発設計運用を独自に行い、運用費なども自前で出せることが条件。

まず第一の乗り合い対象として2010年度に打ち上げ予定の【金星探査機「PLANET-C」】と相乗りする衛星を、5月23日締め切りで受け付けている。それ以外も今後続々と打ち上げる予定があるため、常時「相乗り衛星」を受け付け、審査に合格すれば「小型副衛星搭載候補リスト」に登録。相乗りスペースがあるロケットが打ち上げられる際に、このリストから選ばれることになる。

管理運営も考えると個人ベースでの衛星構築は難しそうだが、大学や研究所などの研究グループ、あるいは企業の研究班、さらには先の「まいど1号」を作り上げた【東大阪宇宙開発協同組合】のような民間企業グループにもチャンスが巡ってきたことになる。「衛星は作れるが打ち上げ機構を作るのは無理」と考えていた集団にとっては、またとない機会だろう。

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