今調査は4月9日から10日、インターネット経由で行われたもので、サンプル数は500。16歳～59歳の男女を対象としており、年齢・性別比は性年代の均等割付。同調査結果では、検索結果画面に表示される「スポンサーサイト」の注力度なども紹介されているが、今回は検索したあとの行動について視点を向けてみる。

お気に入りの通販サイトがある場合を除けば、欲しいものがあった場合に検索エンジンを使って探すのが常というもの。特にテレビや雑誌、ブログなどで見かけた「これは!」と思う商品を検索した経験を持つ人は多いはずだ。検索して商品が見つかった場合、最終的に購入するとしたら、いつの時点で購入するのだろうか。

検索で欲しいものを見つけたときに、どの時点で購入する?

インターネット上の商品購入では「欲しいというインスピレーションが生じた時に、すぐ目の前に『購入ボタン』があれば即時買ってしまう」という、「衝動買い」を誘発しやすいという話がある。しかし今調査では「衝動買い」は2割弱しかおらず、後になって購入する人が半数近くを占めているということになる。

「どちらとも言えない」派が「両パターンどちらともありうる」という解釈で捕らえれば、概算で半々として「衝動買い」35％、「熟考買い」65％となる。「衝動買い」が35％しかいないにもかかわらず既知のような効果が生み出されているのだから、インターネット通販恐るべし、といったところだろうか。

なおリリースでは単に「数日経ってから」と表現しているところから「熟考買い」という表現を用いたが、これは単に「すぐに見つかったけど買おうかどうか考えている」だけでなく、「もっと他に安いところはないのか」「買おうと思って見つけたけど、本当に買ってよいのか。効用をもっと調べた方が」など、「探求派」も含まれると考えられる。

CD一つを例に挙げても、テレビで聴いた曲を検索エンジンで調べてお望みのものが見つかったとして、その場で購入するよりは「ネット上での評判」を確かめたり、お得なベストアルバムがないかを確認することが多いはず。ましてや価格の高い商品となれば、衝動買い度は低くなる。時間が経過して購入する層は「熟考買い」には違いないが、「じっくり考える派」「リサーチ派」が混在しているのだろう。

データでは年齢・性別層別の「衝動買い」「熟考買い」の割合も掲載されている。こちらも面白い結果が出ている。

年齢・性別層別の「検索で欲しいものを見つけたときに、どの時点で購入する?」

この表から推測される傾向は次の通り。

どのような商品を購入するかによっても傾向が違うのだろうが、10代男性の「衝動買い度」は書籍やCD、ゲームソフトなどカルチャー系アイテムがメインだと思われる。一方20～30代女性の「熟考派」が多数を占めているのは、ネット通販を上手に利用している裏返し(上記の仮説における「比較検証」「世間の評判確認」)と考えられる。

説明がしにくいのが、50代女性の「衝動買い」の多さ。恐る恐るはじめたインターネットでネット通販を覚え、ついつい誘惑に負けてしまうことが多い、さらには追調査や比較検証のすべを知らないということなのだろうか。

リリース文中にあるように今データは「あくまでも指標となるものですので、参考データ」でしかないが、「ネット通販は衝動買いがメイン」という通説について再考慮する必要が求められる、非常に価値あるものといえる。今回は「数日経ってから購入」を「熟考」「各種追調査」によるものと推定したが、もしかすると他に理由があるのかもしれない。

今後の調査ではこの点におけるリサーチを望みたいところだ。