木材利用の固形燃料「バイオペレット」日本最大の工場完成

2008年04月18日 06:30

バイオペレットイメージ[三菱商事(8058)]は4月17日、事業投資先の「株式会社フォレストエナジー日田」においてバイオペレットという木質の固形燃料を作る工場が完成し、竣工式を開催したと発表した。小規模生産工場はこれまでいくつか設けられていたが、日本国内では初の大規模工場となる(【発表リリース、PDF】)。

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バイオペレットとは大量の樹皮を細かく砕いて乾燥、さらに圧力を加えて2~3センチほどのサイズにした固形燃料。石炭や重油に代わる代替燃料として注目を集めている。元々は木材のチップ製造過程から出る、あまりモノの樹皮が材料の中心なので(正確には「バイオペレット」は廃材などの樹木全体、「バークペレット」は木の皮を用いる)資源の節約にもなる。「オイルショック」と呼ばれた1980年代の石油危機時代に、代替燃料として注目を集め、これまでも一部企業で小規模ではあるが生産されていた(【葛巻林業】では実際に10キロあたり450円で販売している)。

バイオペレット(葛巻林業から)イメージ上記葛巻林業の解説(【参考資料、PDF】)によれば、バイオペレットの利点は4つ。

・カーボンニュートラル(炭素固定)
・再生エネルギーである樹木を原材料としていること
・国内で生産できること
・林業の活性化や山の資源の有効活用


今回竣工した工場の製造能力は年間2万5000トンで日本最大級のもの。リリースにもあるように今までは利用方法が限られ廃棄物とされることが多く、地域の製材業の重荷となっていた杉や檜の樹皮(バーク)を原料として使用し、主に石炭ボイラーで二酸化炭素排出量削減のために石炭と混焼される燃料用途のバイオペレットを製造することになっている。

原油価格の高騰で燃料費も青天井な今、例えば農家のビニールハウスを温める時の燃料として使えば重油比で3~4割ものコストダウンが望めるという。個人ベースでは専用のストーブが必要となるため(俗に言う「薪ストーブ」の類)、現状では利用が難しいようだ。

ヨーロッパではごく普通にされているという「バイオペレット」。廃材として捨てられる運命にある木材などを有効に活用できるのなら、使わない手はないだろう。バイオエタノール同様、今回の「バイオペレット」のように日本の時勢にマッチした方式・素材で、代替燃料の開発が推し進められてほしいものである。

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