日本人 十人に一人は 東京都民
2008年04月16日 08:00
総務省は4月15日、2007年10月1日現在の日本国内における都道府県別推計人口結果を発表した。それによると日本の人口は1億2777万1000人で、昨年度からほぼ横ばいの一方、東京都の人口は微妙(9万9000人)に増えて1275万8000人となり、28年ぶりに全国人口の10%を占めた。28年前といえばバブル経済初頭であり、この時期並に東京への人口集中が進んでいるようすがうかがえる(【発表ページ】)。
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統計概要は次の通り。
・日本人口は1億2777万1000人。前年比1000人増。
・男性は3年連続減少の一方で、女性は増加が続いている(データ上は6年連続)。
・出生児の数が死亡数を2000人下回り、1950年以降はじめて自然減少に転じている。
気になるのは直近6年間のデータで見ると、2005年以降急激に自然増減数(出生児と死亡数を足し引きしたもの)が減少していること。2004年は10万3000人の増加だったのに対し2005年は9000人の増加に留まり、2006年にはプラスマイナスゼロ。そして今回発表された2007年ではマイナスに転じている。減少傾向は男女ともだが、特に男性が大きくマイナスの値を示しているのが目立つ。
●日本人の1割は東京都民・関東圏や太平洋方面への集中傾向高まる
また、都道府県別では東京都をはじめ関東地区への人口流入が顕著なものとなっている。
都道府県別人口ベスト5
都道府県別人口増減率ベスト・ワースト10
都道府県別人口増減率ベスト・ワースト10
全国地図で見た、都道府県別人口増減率
都道府県別で見ると、首都東京の人口がもっとも多いのはいつものこととして、2006年同様に特定地域への人口集中が進んでいることが分かる。上位5位の都道府県で全人口の35.1%を占めており、特に東京都の人口は28年来の10%超えを果たした。
また、人口増加率も東京都がもっとも高く0.78%、ついで愛知県の0.70%。人口増加率がプラスなのは上位10都県のみで、さらに増加幅が拡大したのは東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県の1都3県。一方で人口増減率が特に低いのは秋田県や青森県、高知県などの地方圏。そして年少人口(0~14歳)の割合が上昇しているのも東京都のみとなり、「地方から東京をはじめとした関東地区への人口流入」「名古屋から千葉までの狭い環太平洋ベルト地域に限定した人口増加」の傾向が見られる。
調査結果では年齢層別人口についてもデータが出ているが、生産年齢人口(15~64歳)は全都道府県で減少し、老年人口(65歳以上)もすべての都道府県で上昇している。さらに沖縄県以外では老齢人口が年少人口を上回り、さらに秋田・山形・島根・山口・徳島・高知県では75歳以上人口ですら年少人口を上回る結果が出ている。
インターネットなどインフラの普及で、仕事などの点において土地の距離感が以前ほど感じられなくなりつつあるはずではあるが、実際には日本国内の人々は都市圏に目をむけ、足を運びつつある傾向が強まっている。地域は過疎化が進み、高齢化の問題がさらに加速する状況が展開している。
人口対策は一朝一夕では片がつかない問題なだけに、中長期の確固たる戦略のもとでぶれのない施政を打ち出し、遂行する必要があるだろう。さもなくば昨今の傾向がさらに加速し、都市圏と地域の二極化が進むに違いない。
個人的には男性の自然増減数が3年来急減しているのが気になる。統計手法上の問題か、それとも生物学的に何か「トリガー」が引かれたのだろうか。
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