プリンタの使用済みインク、郵便局で回収
2008年04月09日 08:00
家庭用のプリンタを製造している【ブラザー】、【キヤノン】、デル、【エプソン】、日本HP、レックスマークの6社と日本郵政グループは4月8日、回収をしやすくし回収率を高めるため、同日から全国の主要郵便局3638局において、家庭用プリンタの使用済みインクカートリッジの共同回収を行うと発表した。またプロジェクト名を「インクカートリッジ里帰りプロジェクト」と命名した(【発表リリース】)。
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インクカートリッジ回収の流れ
具体的には2万4000局ほどの郵便局のうち3638局に回収箱を設置。プリンタの利用者から持ち込まれた「使用済みインクカートリッジ」はゆうパックで仕分作業所に送られ、その後各社に送付される。そしてそれぞれの企業でリサイクルに用いられることになる。設置郵便局は今後数を増やしていく予定。
これまで使用済みのインクカートリッジは各社が家電量販店経由や通販会社などを通じて回収していた。しかし店が近所になかったり、手間がかかることなどから回収に回されず、ごみとして捨てられる場合が少なくなかった。そこで日本郵政グループの郵便局の身近さや物流の仕組みを活用し、インクカートリッジの再資源化の流れを加速させるため、今回の回収箱設置と回収ルートの策定となった。一部報道によると家庭用プリンタで使われるインクカートリッジは年間2億本。そのうち今回回収に参加する6社で9割近くをカバーできるという。
今回の「インクカートリッジ里帰りプロジェクト」はリサイクルというテーマを実現するため、利用者側のハードルを低くすることで、より多くの人に参加してもらおうという意図がある。確かにゴミ箱に捨てればそれで済むのに、わざわざ少々遠目の電気店まで捨てに行く、あるいは手続きをして取りに来てもらうのは(リサイクル精神に反するとはいえ)面倒というもの。それが近所の郵便局の回収箱に入れればOKというのなら、たとえば「はがきを出す時についでに入れてくればいいか」と、かなり手間が省けることになる。
一方家庭用プリンタは本体そのものの価格をきわめて安くして多くの人に普及させ、その消耗品(特にインクカートリッジ)で利益を得る、家庭用ゲーム機のようなビジネスモデルを採用している。リサイクル精神にのっとった、地球に優しい「インクカートリッジ里帰りプロジェクト」ではあるが、同時にプリンタ会社各社のふところにも優しい案件なのかもしれない。
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