「ガソリンや軽油の買いだめは危険いっぱい」消防庁が警告
2008年04月02日 08:00
総務省消防庁は3月31日、ガソリン税の暫定税率失効に伴うガソリン価格の値下げで買いだめ行為が行われ、それが火災のリスクを高める可能性があるとし、全国の消防機関や業界団体に対して適切な指導を行うよう要請した(【発表リリース、PDF】)。
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ガソリンや軽油の買いだめに関する防火安全上の注意事項(一部)
政争を起因とするガソリン税の暫定税率が4月1日付けで失効し、一部のガソリンスタンドなどではガソリン価格が値下げされる傾向が見られ、長蛇の列が出来る情景が日本各地で見られている。
しかしその一方、「また値上げするかもしれない」との懸念からガソリンを買いだめする可能性も増加。その可能性が高い運送事業所や一般家庭に対し「ガソリンに対する火災発生リスクや、万一着火すると延焼スピードも速い」などの特徴を紹介し、貯蔵は出来るだけしないようにと警告。また、一定量以上を貯蔵する場合は貯蔵専用の対策設備と事前の届出が必要など、普通の食品や消費財の買いだめとは勝手が違うことを説明している。
概要をまとめると次の通り。
●ガソリンや軽油のリスク、容器について
・ガソリンは気化温度が低く急激に燃焼する可能性も
・消防法令でガソリンや軽油を入れる容器には制限がある
・一般販売されているポリタンクにガソリンを入れてはいけない
●ガソリンスタンドでガソリンや軽油を容器で購入する際
・ガソリンスタンドへの留意事項(販売量数の制限、利用客への危険性周知と法令順守の確認、セルフスタンドでは容器に入れてはいけない)の徹底
・ガソリンや軽油の買いだめは極力ひかえる
●保管上の注意事項
・ガソリンの容器保存は極力ひかえる。軽油は大量保管を極力ひかえる
・保管場所は消防法令にのっとった場所で、正しい方法で(建物の大規模な改修と共に、許可と届出が必要)
ガソリンも軽油も普段は燃料として用いるため、実際に着火するとどのような状況になるのか、そしてその危険性について理解している人は多くない。知識としては知っていても、「買いだめしたい」という誘惑にかられる人も多いことだろう。
しかし素人による不完全な設備・容器での保存はリスクを山ほど抱えているに他ならず、たとえるなら「いつ火がついてもおかしくない爆弾を抱えたようなもの」と表現してもよい。
繰り返しになるが、トイレットペーパーやカップラーメンの買いだめと同じ感覚で、ガソリンや軽油を自ら備蓄することのないよう、自分自身はもちろん周囲にも確認周知してほしい。
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