首都圏の分譲マンション「ペットOK」8割を超える
2008年04月09日 19:35
【不動産経済研究所】は4月4日、首都圏で販売された分譲マンションにおけるペット飼育可能物件の割合などのデータ「2007年の首都圏におけるペット飼育可能なマンション普及率調査」を発表した。それによるとペットが飼える分譲マンションの割合は2007年において86.2%(5万2578戸)となり、前年比で11.7ポイントプラスと大幅に増加したことが明らかになった。またペット可能物件が8割を超えたのは1998年の調査以来はじめてのこと。購入層の少子化や高齢化でペットとの同居を求める声が高まったことを受けてのものと思われる。
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データによれば2007年に首都圏で供給されたペット可のマンションは5万2578戸。全供給マンション比は86.2%。2006年は5万5511戸・74.5%であり、戸数では2933戸減ったもののマンション供給数全体も減少しているので、普及率では11.7ポイントの増加となる(ちなみに2005年のデータも見つかったがそれによると、5万4178戸・64.3%となっている)。
前世紀までは分譲マンションは「ペット不可」の物件が多く、それでも飼いたい住民がこっそりとペットを飼い、それが発覚することで飼い主とその他の住民や管理会社との間で問題が発生することも多かった。社会情勢の変化(ペットのニーズの高まり)を受けて1997年に国土交通省が住宅宅地審議会の答申を元に「中高層共同住宅標準管理規約(82年策定)」を大幅に改正。その中で、ペット飼育に関しては「管理規約で定めるべき事項である」と記載したことをきっかけに「ペット飼育可」のマンションは増えていった。さらに各不動産会社が「ペット可」を営業上の区別化戦略とみなし、ペットを飼える物件を増加させていき、現在にいたっている。
→ペットニーズの高まり
+
「『ペット可」』が付加価値に』」
業者側の計算
↓
「ペット可」物件の増加
ペットは好き嫌いが分かれる要素で、ペットを家族同様にかわいがる人もいれば、毛嫌い・アレルギーを持つ人もいる。それらの住民が一つのマンションに住むことで両者間の問題が発生しうるが、気の利いたマンションでは「足洗い場」「ペットサイン付エレベーター(ペットが乗っているとランプが点灯するエレベーター)」「グルーミング室」などペットにかかわる人たち・嫌いな人たち双方のことを考えた設備も設けられるようになり、それがさらなる物件の魅力としてお客からの注目を集めるようになっている。
少子化や高齢化などの社会現象はここしばらく続くことから、ペットへのニーズも高まることこそあれ、減ることはないものと思われる。今後ペット飼育可能な分譲マンションの比率はますます高まるだろうし、好き嫌いな人同士も安心して共存できる「プラスαの設備」も色々なものが考案され、備え付けられるに違いない。
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