【更新】JALカード、三菱UFJへ売却か

2008年04月20日 12:00

カードイメージ【ロイター通信】やNHKなど各報道が関係者の話として伝えるところによれば、現在経営再建中の【日本航空(JAL)(9205)】が完全出資の形で保有している「JALカード」の発行済み株式の49%を【三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)】に売却する方向で最終調整に入っていることが明らかになった。日本航空は過半数の株式を保有するため、引き続き経営権を把握する形での売却となる。売却額は約500億円になる見込みとのこと。速ければ5月にも合意・公表するという。

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経営状態が悪化していることから、本業の航空運送事業への注力度を高めるため大規模なリストラを求められている日本航空。中でも「JALカード」は他の各カード会社から注目を集める売却対象。元々カードは企業にとって顧客データの把握や「囲い込み」戦略の手法としても用いられているが、「JALカード」は会員に富裕層が多いことから「顧客価値が高い」として、多くのカード会社が売却先として名乗りを挙げていた。

売却先として三菱UFJの対抗馬と目されていた流通系カードでは首位の【クレディセゾン(8253)】が応札しなかったことで、三菱UFJが最有力候補として挙げられていた。今回はじめて対象名だけでなく「日付・売却額」もあわせ具体的な話が伝えられたことになり、話がそこまで進展しているものと推測される。何より三菱UFJへの売却は「大手金融グループとの提携」ということで「JALカード」のブランド力向上にも一役買うとの計算もあるようだ。

仮に今件が実際に実施されて売却が行われれば、「三菱UFJニコスカード」と「JALカード」の相互補完的なサービス提供が行われることになるだろう。「JALカード」に限っても従来のマイレージサービスだけでなく、キャッシング機能なども追加し、包括的なクレジットカードとしての利便性向上を目指すことになるものと思われる。

「顧客囲い込み」という観点で最も有力な「カード」を扱うカード業界だが、ポイントの大盤振る舞い的なサービス提供と会計制度の改定で、戦略の見直しや合理化が求められているのが業界全体の風潮。「お得意様」が多い「JALカード」と提携できることになれば、「三菱UFJニコスカード」は大きなアドバンテージを得られるに違いない。

なお今件について日本航空側では18日の夜の時点で[プレスリリース、PDF]を発しており、

本日の一部報道において、当社連結子会社の株式売却等に係る報道がなされておりますが、
この報道は当社が発表したものではなく、現時点で決定しているものはございません。


と、淡々と事実のみを伝えている。自社が発表したものではないこと、「現時点で」決定しているものではないと語っているあたり、色々と深読みできそうな文面ではある。ともあれ早ければゴールデンウィーク明けにも何らかの動きがあることだろう。

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