寒冷地での電池性能をチェック・三菱自動車の電気自動車「i MiEV(アイ ミーブ)」北海道で試験走行開始
2008年04月23日 08:00
【三菱自動車(7211)】は4月22日、【北海道電力(9509)】と共同して電気自動車「i MiEV(アイ ミーブ)(Mitsubishi innovative Electric Vehicle)」の実証走行試験を行うため、航続距離の拡大を図った「i MiEV」実証走行試験車一台を北海道電力側に引き渡したと発表した。雪が降る寒冷地における総合的な性能、市場での「ウケ」を計測することになる。
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今回北海道電力に引き渡された「i MiEV」
「i MiEV」は三菱自動車の軽自動車「i(アイ)」にリチウムイオン電池と永久磁石式同期モーターを搭載。家庭用交流電源(100・200ボルト)と急速充電器向けの3相200ボルトでの充電が可能。最高時速は130キロで、1回の充電では160キロ(先行試験車では130キロ)の走行が可能。なお電気代は一部報道では、1回の充電につき数百円だという。
今回引きたされた実証走行実験車は来年3月まで試験走行が行われ、特に暖房を使った場合や寒冷地の冬季における、とりわけ電池周りの性能(例えば雪が降ったときの極端な低温、路面が凍結した状況での電気使用量や充電時間の変化など)を調べるという。すでに経験則でご承知の人も多いだろうが、低温では電池の性能低下が激しく、実際の環境でその影響度を調べ、改良を施す予定。
三菱自動車ではすでにこれまで先行試験を実施してきた【東京電力(9501)】、【九州電力(9508)】、【中国電力(9504)】に加えて、第2段階の実証走行試験から、新たに今回の北海道電力や、【関西電力(9503)】、【沖縄電力(9511)】との協力を取り付け、チェックを行う。北から南までの領域をカバーする事で、さまざまな使用・気候条件下における走行データを元に、開発を推し進めるとのこと。
ガソリン自動車と比べると多少馬力不足、航続距離の短さが気になるが、それでも家庭用電源で充電できることや燃料費の安さは魅力的。将来的には(専用の)太陽電池ユニットも別売りで発売され、自宅のガレージや出先の駐車場に止めている間に「燃料補給」などという、地球に優しい走行スタイルも見えてくるかもしれない。
今回の実証実験は特に「寒さにおける電池性能の低下」がどれほどのものか、そしてそれにどのように対処するのかという、電気自動車が持つ大きな難点に対するものとなる。良い成果・データが得られ、適切な改良が施され、実用化に向けて前進することをを期待したいところだ。
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