未来の電動バイクは一輪車!? カナダの高校生が「Uno」鋭意開発中
2008年04月30日 08:00
イギリスからヨーロッパ方面の話題を中心に、色々な話を提供してくれるDailyMailで奇抜なコピーが目に留まった。いわく【バランスは大丈夫!? 世界初の電動一輪車(Hold on tight! The world's first unicycle MOTORBIKE)】。一枚目の写真を見る限り、本当に普通のバイクの前半分だけのように見える、奇妙な形の「一輪車」な電動車。コラージュ写真や何かのスタントショーでなく、ごく普通の車両らしい。どうやって走らせているのか……。
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冗談かコラージュ写真にしか見えないUno。しかし実は大真面目な車両。
開発者の名前はBen J. Poss Gulak氏。カナダの高校生で現在18歳。2006年に中国を旅行し、大量の自動車による大混雑とその自動車から吐き出される排気ガスに嫌気が差し、小さくて自然に厳しくない移動機関を作りたいとの衝動に駆られ、この電動車両「Uno」の制作に取り掛かったという。この「Uno」、「大気汚染と戦おう」という意思を多くの人に伝えるには何らかのインパクトを与えて目立つ必要があるため、「クールに見える」コンセプトの元で設計されたとのこと。
真横から見れば冒頭にあるように「一輪車」「バイクの前半分だけ」に見える「Uno」。インパクトは想定どおり120%。実際には次の写真にあるように、ホイールを横二つに並べた並列二輪車に他ならない。通常のバイクなら縦に配するものを横に配しただけ、と言われればそれまでだが、発想の転換には恐れ入る。
真正面から見たUno。ホイールを横に並べているのが分かる。
運転方法はヘリコプターや飛行機の操縦と同じように、乗っている人が前倒しになれば加速、後ろに反れば原則。また左右に体を振る事でそれぞれの方向に旋回する。基本的にスイッチオン・オフ以外のコントロールは必要ないとの事(DailyMailではかの電動車両「セグウェイ」のように、とも説明している)。バランスが心配だが、複数のジャイロコンパスと制御ソフトのおかけで、オートバランス機構が働いているので「思ったほど」不安定ではないという。むしろ運転手にとっては「これが本当に倒れずに走るのか?」という疑心暗鬼を解消する方が大変とのこと。
前のめりで加速
重さは120ポンド(54キロ)、現在最高時速は25mph(時速40キロ)だが、モーターを強化することでさらに高速化できるという。一度の充電で2.5時間の走行が可能。一部記事では「製品化や量産の予定はなし」とあるが、DailMailへのインタビューではGulak氏は「生産するのに必要な投資家を探しています」と言及している。
公式サイトでのUno
このアングルで見ると、前のめりの
鳥のようにも見えてくる。
バイク専門誌【Motorcycle Mojo Magazine】では【特設ページ】を設けてこの「Uno」を紹介している。現在は雑誌のダイジェスト部分しか掲載されていないが、それによると例えば「メカニックエンジニアだった祖父から工学を学び、祖父が亡くなったあとは機械工場を引き継いでいた」「CADソフトに関する知識も経験も無かったので、Google SketchUpという無料のツールを使っていた。ところがたまたま営業に来たSolidWorksのセールスマンに開発途中のUnoを見せたところ、(気に入られて)無料で提供を受けることができた」などのエピソードが語られている。一方【Uno自身の公式サイト】もあるが、まだ制作途中とのことで、写真が数点掲載されているのみ。
Unoが実際に走っているところを見てみたいものだが、残念ながらまだ公式には撮影されていないようで、Youtubeなどの動画共有サイトや各メディアでは見つけることが出来なかった。くだんのMotorcycle Mojo Magazineの特集ページでは「近いうちに動画を追加する予定なので、このページを忘れずにチェックしてください」と書かれてある。安定性やスピードなど気になるところは多数あるが、動画が公開されればそのあたりもはっかりするのだろう。
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