パソコンゲーム専門誌「ログイン」5月売号で休刊

2008年04月12日 12:00

ログイン最新刊イメージエンターブレインは4月10日、パソコンゲーム専門誌『ログイン(LOGiN)』について2008年5月24日発売号をもって休刊することを発表した。一般のパソコンゲーム誌としては唯一継続発刊されてきたログイン誌も、25年でその歴史に幕を閉じることになる(【発表リリース、PDF】)。

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ログイン最新刊イメージログインは当時パソコン総合誌だったアスキーの別冊(季刊誌)として1982年5月に発売された、パソコンゲームファン向け月刊誌。1983年4月からは月刊誌となり、エンタテインメント性の強いカラーを前面に打ち出した「面白パソコンゲーム誌」として一世を風靡した。特に初期時代に編集長に就任した「ヒゲ編集長」「ヘンシュウチョ」こと小島文隆氏のアクの強さと、パソコンゲームの情報誌としてのリーダーシップの立ち位置をさまざまな「娯楽」の面から維持していこうという姿勢が、同誌の個性を色濃いものとし、多くのファンの心をひきつけた。単に「総合パソコンゲーム誌」としてだけでなく、パソコンゲーム文化そのものを牽引する「カルチャーマガジン」的な位置づけもあったと言ってよい。

一時には人気の拡大から月2回刊となり、ゲームに留まらず科学やお笑い、読者コーナーなど多種多様に登る「パソコンゲームを中心にした総合エンタテインメント雑誌」の様相を色濃くしていったが、パソコンゲームそのものの人気が下落すると共に勢いにもブレーキがかかる。そして月刊誌に戻り、企画・ページの再編などが繰り返されるも状況の改善は果たせず、今回残念ながら休刊という運命を受け入れざるを得なくなった。

ログイン誌では「ヤマログ」「バカチン市国」「知らなかったほうがよかった世界」「べーしっ君」などの人気コーナー、「ぽげムたビゲなみょ~ん!!」「がびんちょんぶー」「のえのえぷー(のえのえぷう)」などよく分からないようなノリだけのキャッチコピーが生み出され、スタパ斉藤氏、伊藤ガビン氏など各界で現在も活躍している著名クリエイターたちを輩出。ゲーム専門週刊誌「ファミ通」も元々はログインの一コーナーとして世に送り出された経歴があるなど、パソコンゲームだけでなくデジタル系ゲーム業界全体の歴史を語るには欠かせない存在といえる。

そのログイン誌も昨今ではインターネット上の情報展開に押され、方向性を見失いつつも何とか「唯一日本で存続している一般パソコンゲーム誌」としての形を維持しようと努力していた様子が見受けられた。しかし時代の流れにはかなわず今回残念ながら休刊の知らせを聞く事態となってしまった。リリースによれば「これまでの25 年間に培ってきたものを活かし、インターネット上で新しい事業展開をして参ります」とあり、今後ログインの魂を引き継いだウェブ上での展開が期待される。

紙媒体として唯一残っていた(一般)パソコンゲーム誌休刊の知らせは、一つの時代の終焉を指し示しているともいえる。非常に悲しい事実には違いないが、リリースにある「新しい事業展開」がログインのDNAを引き継ぎ、新しい時代を切り開くものであるよう期待したいところだ。


(最終更新:2013/09/07)

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