アスキーソリューションズ、5月23日付けで上場廃止

2008年04月23日 08:00

【大阪証券取引所(8697)】は4月22日、ヘラクレス上場の【アスキーソリューションズ(3801)】について、4月23日から整理銘柄に指定し、5月23日付けで上場を廃止すると発表した。有価証券報告書などへの虚偽記載を行い、その影響が重大であると判断したことなどが理由(【発表リリース】)。

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上場後におけるアスキー・ソリューションズの株価推移。ナイアガラの滝状態。
上場後におけるアスキー・ソリューションズの株価推移。ナイアガラの滝状態。

アスキーソリューションズは先に【「アスキーがアスキーで無くなる」!? アスキーソリューションズ、「アスキー」の名前使用終了・今後の社名は未定】でお伝えしたように、2002年に株式会社アスキーのネットメディア事業部のメンバーなどから成る創業メンバーによって、休眠状態の会社の株式を取得。社名をアスキーソリューションズに、事業目的をコンピュータのハード・ソフト開発や販売に変更し、現在の形となった。2006年にはヘラクレスに上場したものの業績は思わしくなく株価も低迷。昨年11月には【オリックス(8591)】によるTOBと第三者割当増資が行われる予定だったが、決算内容に疑義が生じたとして第三者割当増資が中止される事態となっている。

大証側の説明によれば、アスキーソリューションズ側は「顧客の検収の無い時点で売り上げ計上」「特別損失と計上されるべき違約金を固定資産と偽って計上」など、さまざまな不適切取引処理を行い、投資家の投資判断を誤らせる行為を繰り返してきた。さらにこれらの処理が上場の審査過程の段階で同社の取締役が積極関与し行われていたこと、そして上場後も是正措置が取られないだけでなく、架空売り上げを用いた債権残高の回収偽装を繰り返した。それに加えて上場後2年も経過しないうちに2度の「虚偽記載」が行われるなど、「投資者の金融商品市場に対する信頼を著しく毀損するものであり、その影響は重大であると」と大証側が判断に値するだけのものとみなされた。

先の記事でそれとなく触れていたように、同社は「上場ゴール」という言葉で揶揄されるように上場そのものが基準を満たしていなかったのではないかという話に始まり、投資家の判断を誤らせる財務上の問題を次々と引き起こしてきた。

2006年4月6日上場から2年余りでの「退場」措置となるが、過去の経歴を見るにむしろ「遅きに逸した」という感がぬぐえない。ライブドア事件以降、とりわけ新興市場に対する内外の不信感を払拭し、投資家の注目を新興市場に呼び戻すためには、このような「問題児」に対し、用意されているルールを「適切に」「素早く」実行することが各取引所や監督官庁に求められることだろう。


(最終更新:2013/08/07)

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