高さ1600メートル・建造費用1兆円の超高層ビル、サウジアラビアで計画
2008年04月01日 06:30
先に【UAEのドバイで世界一のビル「ブルジ・ドバイ」建設中・現在512メートル、最終的には700メートルに!?】で報じたように、UAEでは地上700メートルにも達するかという世界最高層のビル「ブルジ・ドバイ(Burj Dubai)」が建造中。オイルマネーの桁違いのパワフルさを見せ付けている。だがさらにその上を行くビルの、サウジアラビアでの建造計画が発表された。【DailyMail】によればそのビルの高さは5250フィート(1600メートル)、建造費用は50億ポンド(約1兆円)にもおよぶという。俗称は「マイル・タワー」(※1マイルは約1600メートル)。
スポンサードリンク
元記事によれば、今回の「超高層ビル」の建造者はイギリス・ロンドンの高級ホテル【London's Savoy Hotel】のオーナー(2005年に12.5億ポンド=2500億円で買収した)でもあるサウジアラビアの Prince al-Walid bin Talal王子(51)によるもの。イギリスの工学コンサルタント会社(【Hyder Consulting】など)らによって設計されたもので、1600メートルという高さは現在建造中の「ブルジ・ドバイ」の2倍程度の高さになるという。建造場所はサウジアラビア西部・紅海に面する港のあるJeddahという都市。仮にこのビルが建造されれば、最上階から中東全域はもちろん、アフリカ北部、さらにはインド洋まで見渡せるとのこと。
今回発表された「1600メートルビル」「マイル・タワー」と他の主要高層ビルとの比較。
ちなみにこちらが「ブルジ・ドバイ(Burj Dubai)」公式サイトにある、ブルジ・ドバイと他のビルの比較図。一番左のブジル・ドバイが、上の図表では左から2番目になることを考えると……
今回の「超高層ビル」の建造は「中東の勢いがアジアやアメリカを超えた」というきわめて明確な象徴として記されることになる。まるでかつて、エンパイアステートビルに代表されるように「アメリカの国力が世界最強だ」という威厳を、ビルの高層化競争で示したかのように。
もちろん建造は容易ではない。上層部の建造には資材・人員の運搬双方においてヘリコプターが使われる。また、ビルの高さによって温度の変化が激しいので、温度差に耐えられる構造が求められる。さらに強風にも対処しなければならない。これらの問題の解決策の一つとして、本ビルの両脇に「小さなビル」(それでもイギリスの高層ビルCanary Whart:235メートルより高い)が建てられ、補強する役割を果たすという。
ちなみに原文のDailMailの記事にはいくつか読者からのコメントが寄せられているが、「こんなどでかいビルを作るだけの金を持っているのだから、ガソリンが高くても不思議じゃないよな」「このビルはアラブ諸国のプライドを象徴するものだ。しかし建てられた現地では、唖然とした目で見られることだろう」という醒めたものや皮肉交じりの意見が多い。やはりイギリスでも、石油商品の高さにはうんざりしているということなのだろうか。
■関連記事:
【『シムシティ』なドバイの海上住宅街】
【UAEのドバイで世界一のビル「ブルジ・ドバイ」建設中・現在512メートル、最終的には700メートルに!?】
スポンサードリンク
ツイート